Magazinehouse Digital Gallery vol. 3 1970年3月『anan』創刊号より その3
パリ・コレ ’70

(2011.04.15)

創刊号のカラーグラビア、第3弾は『ELLE』から送られてきた1970年春夏のパリ・コレクションのグラビアです。扉ページのリードには「エア・メールでエルから直送 パリと同時編集、同時発表」と書かれ、『ELLE』との提携企画であることが強調されています。当時はまだパリの最先端モードは読者には遠い存在だったためか、ファッション・デザイナーの長沢節さんの解説記事が付いています。それによると、当時のバリ・コレは、伝統派のイヴ・サンローラン、ピエール・カルダンに対して、前衛派のアンドレ・クレージュ、エマニュエル・ウンガロが台頭していた時期。このシーズンは、しばらく続いたミニ・スカート時代が終わり、マキシ丈(くるぶしが隠れる程度の丈)が登場、エレガンスが息を吹き返したそう。それによって、ミニスカートの先駆けだったクレージュが古くなり、伝統派のサン・ローランが逆に新しい感じに見えてきたとレポートされています。

扉ページのファッションは、ウンガロ。丸い水玉シリーズはクレージュ。次の未来的なスーツとボディタイツにミニスカートのカラフルなファッションはカルダン。クレージュやカルダンは、ビニールやプラスチック素材を組み合わせた新しい素材を使っています。見開きを縦に使ったひらひらのプリーツ使いのドレスはランバン。丸い襟が特徴のコートスタイルはウンガロ。カトリーヌ・ドヌーヴが登場する最後の見開きがイヴ・サンローランの作品です。

 

Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。