Magazinehouse Digital Gallery vol. 10 1980年5月『BRUTUS』創刊号より
その2 目を覚ませ、ブルータス!

(2011.06.10)

『BRUTUS』は男が悦楽的に生きるためのライフスタイルマガジンとしてスタート。そして”ヤンエグ”と後に呼ばれるアメリカの若いエグゼクティブクラスのスタイルを紹介した。『BRUTUS』では『POPPEYE』のような遊びのスタイルだけではなく、当然、ビジネスもテーマのひとつに数えていた。今回は「On Business 独断専行、これはビジネスでは本当に禁忌すべき行動なのだろうか。」で始まるビジネスに拘わるページをご覧に入れたい。

ビジネスのスタイルといっても、それはよくありがちな単なるスーツの特集などではない。リネンのスーツを着込んでヘリで移動するエグゼクティブのスタイルであり、オープン・オフィス・システムというオフィスのあり方の考察だ。かといって、アメリカの夢物語ばかりが語られるわけでもない。誌面はイメージ写真の見開きに、商品カタログの見開きが組み合わされる構成で、スタイルとモノがきちんと紐付けられている。たとえば「Go Aboad」というタイトルのページは、2〜3泊の出張スタイルを提案しているのだが、ゼロ・ハリバートン、ボッテガ・ヴェネタ、アバクロンビー&フィッチ、ポロ・ラルフローレンのトランクやガーメントバッグが紹介されている。この編集スタイルは、バブルに向かう時代の空気の中で広告業界にも歓迎され、『BRUTUS』は雑誌ビジネス的にも幸せなスタートをきった。

 

Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。