Magazinehouse Digital Gallery vol. 12 1980年5月『BRUTUS』創刊号より
その4  目を覚ませ、ブルータス!

(2011.06.30)

前回、『BRUTUS』的エグゼクティブの休日の過ごし方を紹介したが、今回はその第2弾。「日曜はゆっくり起き、友だちを招いてシャンパン・ブランチを楽しむ」という提案から。ビヴァリーヒルズのブティックのオーナー・ジェフ・スタインの休日スタイルだ。ビヴァリーヒルズの丘の上の高級住宅街にある彼の家はもちろんプライベート・プール付き。週末は、仲間たちを呼んでプールサイドで遅めの朝食と昼食を兼ねたブランチを楽しむという。当時の日本にはまだ、シャンパン・ブランチなんて言葉はなかったはずだ。

さらに『BRUTUS』は、ガウディ風の住宅を自分で作ってしまう男。歯科医でありながら自ら図面を引き、ブルドーザーまでも操るという。またクルマ好きが高じてホテル付きのスーパーカー・パークを造るという男。また48歳にして突然幼年期の趣味に目覚め、家中を鉄道模型でいっぱいにした男も登場する。いまどきオタク文化なんてめずらしくもないが、ひとつのことにのめり込み、とてつもない情熱を傾けるカルチャーは、1980年のアメリカにすでに存在していたのだ。

 

Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。