Magazinehouse Digital Gallery vol. 13 1982年 5月『Olive』 創刊号より
その1 グルーミング!

(2011.07.11)

『Olive』は『POPEYE』からスピンオフした2冊めの雑誌である。漫画ポパイのもうひとりの主役、オリーブを誌名にした女性誌のプランは『POPEYE』創刊の頃から話し合われていた。だが、先にスピンオフしたのは『BRUTUS』、それが予想以上の成功を収め、翌年、いよいよ懸案の女性誌にチャレンジすることになった。当時『POPEYE』のライフスタイルは大学生を中心に圧倒的な支持を得ていたから、狙ったのは女子大生。実際『POPEYE』には女性読者も付いていたことから、当然のように『Olive』は『POPEYE』の女性版という位置付けになった。キャッチフレーズも「Boys」を「Girls」に変えただけの「Magazine for City Girls」。スタッフも『POPEYE』の男性スタッフが中核を担った。そんなわけで『Olive』は、皆がイメージする『Olive』とはまったく違うテイストの雑誌として誕生した。ガーリーな『Olive』が登場するのは、その1年後である。

『Olive』の創刊スタッフは編集長に『POPEYE』『BRUTUS』を創刊した木滑良久、現場を取り仕切ったのは『POPEYE』の創刊スタッフで、木滑や石川次郎が『BRUTUS』に移った後『POPEYE』を引き継いだ椎根和だった。後に『Hanako』を創刊する敏腕編集長だ。表紙は例によって、タイトル、イラストレーションともに堀内誠一が担当した。

創刊号のトップ企画は「グルーミング」特集。タイトルには「男が知っていて女のコが知らないトリートメント それがグルーミング。」とある。ヘアスタイルやメイクアップの情報は女性誌の定番だが、それだけじゃだめ。ヘアケア、ボディケア、快適な睡眠やバスタイムなど、女も「男の身だしなみ」みたいなものに取り組んでもらいたいという、なんとも男目線の企画だった。

 

Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。