Magazinehouse Digital Gallery vol. 15 1982年 5月『Olive』 創刊号より
その3 FLASH UP FRONT

(2011.07.25)

『Olive』創刊号、3回めは雑誌トップのコラム集を紹介したい。実はこれ、創刊号の中でも、最も『POPEYE』のスタイルが色濃く出た企画だと思う。『POPEYE』は西海岸のライフスタイルを最初に提案した雑誌だが、年を経るに従ってかなり幅広いジャンルをカバーしていた。ある時期はアウトドアだったり、スキーやテニスだったり、ハワイだったり、クルマといえばビートルだったり。『POPEYE』は、そうした雑多なジャンルの最新情報が売り物のコラムマガジンでもあった。特に巻頭の「POP EYE(ポップ・アイ)」というページは、それこそ『POPEYE』的な目線でピックアップされた情報がたっぷり詰まっていた。

この『Olive』にも、巻頭に「FLASH UP FRONT」と名付けられた「POP EYE」そっくりのコラム集が設置された。女性誌の巻頭といえば、『anan』の「ANTENA」が典型だが、最新のオシャレ・グッズの紹介が続くパターンが多い。もちろん写真は大きく、きれいなレイアウトで、文字量も圧倒的に少ない。そんな中で「FLASH UP FRONT」は右ページカラー、左ページモノクロの変則的なスタイル、写真の数は多いが細かくレイアウトされ、文字はたっぷり、しっかりと書き込まれた読み物になっていた。女性誌としてはかなり異色な作り方であったと思う。

 

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Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。