Magazinehouse Digital Gallery vol. 16 1982年 5月『Olive』 創刊号より
その4 ベイ・シティ・ローラーズ

(2011.08.01)

『Olive』創刊号、4回目は「Bay City Rollers」特集。『Olive』創刊号の中で読者に最も人気のあった企画がこれだという。「Bay City Rollers」(以下BCR) といえば、1975年〜77年にタータンチェックの衣装で一世風靡したアイドル・ロック・グループだ。「エス・エー・ティ・ユー・アール・ディ・エー・ワイ・ナイト」で始まる「Saturday Night」は、当時、本当に大ヒットして今でも時々流れるから、BCRを知らない世代でも聞き覚えがあるはず。このバンド、1960 年代から活動していたもののパッとせず、1974年にレスリー・マッコーエンが加入してアイドル路線を歩み始めてから火が付いた。イギリス、アメリカ、日本でタータン・ハリケーンと呼ばれる熱狂を生み出し、第2の The Beatles とまで呼ばれる一瞬があった。特に日本では1976年から3年連続して来日するなど、異様な盛り上がりを見せ、BCRに会うために家出した少女がロンドンで保護される事件が起こるなど、ブームは社会問題となった。

本誌の記事は、編集部にやってきた読者が、BCRに熱狂した日々を「あんな心ときめく美しい思い出はありません」と語ったところから始まった。『Olive』の読者世代がまだ中学生だった頃の青春の思い出企画だ。記事は細かい写真や、当時のエピソードがたっぷり詰まった、1976年のBCRブームを振り返る構成。これが、読者の琴線にふれたというのは、なんとなく頷ける。ちなみに、この記事を書いた大森庸雄さんは、「輝け!ベイ・シティ・ローラーズ」というラジオ番組をやっていたBCR通だという。

 

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Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。