さむらいペンギン 42 昇天

(2013.01.21)

◆42 「昇天」

30日——
モーパッサンとシゲロウは、
日が登り……

日が沈むまで、
”達磨斬り”の修行に励んだ。

31日——

「モーパッサン!!
 今日は、決戦の日だ!!

そして!
この数日間、身につけてきた
”ダルマスパーン”を外す時が、
ついにきたのだ!!

モーパッサン!
ダルマスパーンを外す前に…
いま一度!
”達磨斬り”をやってみるんだ!」

バスッ!!

「ダルマスパーンをつけて、
雪玉をそこまで斬ることが
出来るなら!!
ダルマスパーンを外せば、
確実に雪玉を真っ二つに
出来るはずだ!!
ダルマスパーンを外すぞ!」

ドシャン!
        シャン!!

「行け! タイガー!!
   お前の野生を解き放て!!」
鋭く叫ぶシゲロウ!!

「がるるるるる!!」
吼えるモーパッサン! 
竹刀を振り上げ!

バスッ!! 

   ・・・・・・

「シ…シゲロウコーチ…
ダルマスパーンを外しても、
あんま変わらへんで…
これは…
どういうことや!?」

「……こ…
     これは……

これは…
  おそらく…
ダルマスパーン修行一日目で…

バネが…
    伸びたな……」

 てへっ

   バスッ!!

そこに!  
  ズン

なんや?兄ちゃんたち??
   仲間    割れか??」

「ネギマ!!
    何しにきたんや!?」
声をあらげるモーパッサン。

「今夜の準備で〜
他の連中は忙しいから〜
このネギマさんが〜わざわざ
兄ちゃんが逃げてないか?
確認しに来たんよ?」

「勇者は逃げへんのや!!

 なあ!  シゲロウ!? 」

「あのネギマさん……
賭けの対象をモーパッサンから…
スナギモさんに変更すること
は〜出来ませんかね?」
 

「なんやねん!
   この裏切りペン!!」
そう言うと、シゲロウに
飛びかかるモーパッサン。

 ポコスカ!

      ポコスカ!

「コラ?!
   やめね?か!!」

 ピタ

「今夜、8時に?
プチプチ広場に必ず来いよ??
もし、来なかったら?
一生?島の笑ペンになるぜ?
こいつは?
スナギモさんからの差し入れだ?
またな〜〜」

「クソ!
これで俺の貯金もスッカラカン。
お前も勇者にはなれないな!」
うなだれるシゲロウ。

「俺は負けへんで!
そんで勇者になって!!
ナタリーちゃんに
 キスしてもらうねん!!」

「はぁ…
モーパッサン、お前は単純で
イイよな……
スナギモの差し入れって…?」

モーパッサンが包みを開ける、
「なんや、これ!
     お酒やん!!」

「スナギモの野郎、高校生に
酒を差し入れしてどうすんだよ!!
しかも酒の銘柄が——
”昇天”かよ!
嫌がらせじゃねーか!!
たくヤクザペンどもが……

……

モーパッサン……
これ…
呑んじまおうか?」

「あかん!
俺、酒を飲んだことないし…」

「そんなの、超エリート高校生の
俺様、シゲ様もねーよ!
ねーから呑むんだよ!!
 呑まなきゃ!
   やってらんねだろ!!」

「あかんて!!」

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レッツ!
呑みにケーション!!