さむらいペンギン 44 キンキラ金に

(2013.03.04)

◆44「キンキラ金に」

あと3分!!
カッパヌードルが
出来るまでに!
モーパッサンは
現れるのか!?

  シーン

期待に満ちた沈黙を突然やぶるかの
ように、ジェローム校長がステージ
に現れた。
すると校長は、ネギマのマイクを
むしり取り……

ピゴッ

「ワシはプチプチ高校の新しい
校長ジェーローム校長じゃ。
ワシは紅白歌祭りを…
楽しみにしてたんじゃ!!
まさか、今年に限って歌祭りがない
なんて……無念じゃ!!
そこで、この待ち時間を拝借して…
69番! !
ジェイジェイ・ジェローム!
”ギラギラ金にわざとらしく”」

苦痛の一分が過ぎた♪
ジェローム校長は第一番が終わる
前に、ステージから引きずり降ろ
された。

残り1分——
会場には、期待より
も不安が広がる。
対戦者を待つ
スナギモは、
彫像のように
中空を睨んでいる。

残り10秒ーー
諦めのカウントダウンが始まる……

「9……8……7……6……5…」

     ブーー!
  ブーーー!
会場からの大ブーイング。

「では〜頂きま〜す!」
そういうと、モーパッサンの敗北
を刻み付けるように、ネギマの
フォークがカッパヌードルに
吸い込まれてゆく……そこに!!

グサッ!

「す…すみませ……ん
   お、遅くなりました……」
痛みをこらえ謝罪するモーパッサン。

そのモーパッサンに、
「兄ちゃんよ〜よお来たな。
 死ぬのが怖くて、
  逃げたかと思ったぜぇ」

ニヤリと笑うスナギモ。

「ゆ…勇者は逃げへんのや!!
ギリギリまで!
お前を倒す修行をしてたんや!!!」

ワアアアアア!!!
大歓声!!

「そうかい。そうかい。
じゃここで一句、
スナギモ語録を言わせてもらうぜ!!

三分待って!
プン!
プン!
プン!!

スナギモ親プン!
プン!プン!プン!!!

どうだぁ〜このプンの多さに!!
俺様の怒りがにじみ出ているだろう」

ピゴッ
「お待たせ
しました〜
モーパッサン選手が〜到着〜
しました〜ので〜今から〜
ススナギモ〜対モーパッサンの〜
試合を〜始め〜ま〜す〜」

ワアアアアア!!!
再び大歓声!

スナギモ語録を流され、
納得がいかないスナギモ親プン。
 一方、モーパッサンは、
興奮と緊張で落ち着かない。
その目は会場をさまよい……
無意識に愛しのナタリーちゃんを
探し始めていた。

しかし、ナタリーちゃんの姿は
どこにも見当たらない。

「両者中央に〜!」
ネギマのアナウンスに、
ノシリと進むスナギモ。
 だが、モーパッサンは気づいて
いない。ナタリーちゃんを探して
いるようだ。

「モーパッサン選手〜前へ」
再びネギマのアナウンス。
 まだ、気づかないモーパッサン。

バシッ!

「アホパッサン!
しっかりしろ!!
俺たちの修行の成果を
見せつけてこい!!」
シゲロウの喝が入る!

「ウッス!」
そう応えると、ゆっくりと前に進む
モーパッサン。

ネギマが右手を持ち上げると、
会場は急に静まりかえり……

 「ファイト!!」

ネギマの号令に、
闘いの火花が散る!!!