さむらいペンギン 06 勇者降臨!!

(2012.02.20)

◆06「勇者降臨!!」

ひゃっひゃっひゃっ。
「ひゃてひゃて、プチ高には……
伝説の剣・米闘勉(べいとーべん)
を抜ける勇者は、おらんかったよ
うじゃ。
まあ、それなりに面白かったし……
昼飯でも食おうじぇ!」
と、デェマ校長。

「全然、抜けなかったね」
「おなか減ったぁー」
「うちの男子はダメね」
「シゲロウ、超さむい!」
などなど……
校舎へと戻る、プチ校生たち。

そこに……

「シゲロウ……何やこれ?」

ズポッ!

ドドドド!
ドドドド!!
ドドドドッ!!
ドドドドーッ!!

「えっ!?えっ?
    何や?何やぁ!?」
うろたえるモーパッサン。
 そこに、デェマ先生が現れ、
「ユーが引き抜いた竹刀!
それは……伝説の勇者しかし抜く
事が出来ない伝説の剣じゃ!!」

「えっ? 僕……勇者なん?
なんや? ようわからへん……」

ゴホン——
「みんなぁ!プチ高に!
伝説の勇者がいたじぇ!!」

 ウワァー!

「ねぇ、モーパッサンって……
ウザいバカだと思っていたけど……」
「結構、可愛いかも?」

ナタリーちゃんは、髪をかきあげ、
「昨日……モーパッサンに……
      告られたの」

「えっ! ほんとぉー!
  で! どうしたのナタリー?」

「ふふっ、ひ・み・つ   」
そう言うと、左目をパチリ。
女の戦場でひとつ。
ハートの弾丸が放たれた!

 
ナタリーちゃんが……
僕に!
ウィンクしたやーん!!
まじぃ!
マジィ!!
真剣ぃですかーあ!!!
なんかぁ、めっちゃテンション
上がってきたでぇ——

「みんな! みんな!!
   僕が勇者!
モーパッサンやでえ!!」

ウワワワワーッ!!
ぱっさん!ぱっさん!
  ぱっさん!ぱっさん!
   ぱっさん!ぱっさん!
   ぱっさん!ぱっさん!
         ぱっさん!ぱっさん!

            ぱっさん!

キーン
コーーン
   カーーーン
コーーーン
体育の時間(ドッヂボール)——

エイッ!

      バキッ!
      

ピーポーピーポー

校長室——
 はぁ……
デェマはタメ息を吐くと、うなだれ
ているモーパッサンに向かって、
「しゃてしゃて、モーパッサン。
お昼までは、伝説の勇者じゃやった
のに……
体育の時間にもなると、シゲロウを
病院送り。
まったく……
元気過ぎて困ったやつじゃい!」

「すみましぇん……
 お昼にテンション! 
  上がりすぎちゃってぇん……」

「せっかく、これを見つけたから、

ユーに、プレゼントしようと思っと
ったんじゃが……
これ以上テンションが上がっても、
困りもんじゃしなぁ……」

「楽しい…け・ん・ど・う?
あっ! デェマ先生! 
 ちょっと家に帰るわ!!」

          ……

  
 
 

自由すぎるペンギン、
モーパッサン。
なぜ? 彼は!!
ちょっと家に帰るのか!?