さむらいペンギン 08 ペンギニウム

(2012.03.05)

◆08「ペンギニウム」

秘伝の書、”楽しい剣道”。
その中身を見て、驚愕するデェマ。
一体、そこには何が!!

「デェマ先生!さっき!
 僕にくれるって言たやん!」

「い、いやいや、モーパッサン!
まだユーには……
ユーには、”楽しい剣道”は早すぎる!
ユーが、18歳になったら……
この”楽しい剣道”を授けよう」

 

「お願いやデェマ先生!
 僕に!!
 ”楽しい剣道”を下さい!」

コ、コロン…。

「こ、これは……!
    ペンギニウムじぇ!! 」

「あれ! 髪の毛に入ってたんや?
デェマ先生、これはペンギなんとか
やないで!
プチプチ石っていうねん!
それより”楽しい剣道”を、どうする
んですか!?」

「そうじゃった…ホホ。
これは、プチプチ石じゃ……」
デェマはそう言うと、白々しく石に
手を伸す。

   
       バッ!

「デェマ先生、プチプチ石が欲し
 いんや……これあげるから!
 ”楽しい剣道”を頂戴ぃ!!」

「むむ……こまったじぇ…
石は欲しいじぇ……しかし。
”楽しい剣道”は、刺激的すぎる……
むむ…む」

「あっ、桜や!」

「桜……それじゃ」

 デェマの——脳内フィラメントが
スパ−クした。
彼は突然、”楽しい剣道”を食い入る
ように、めくり始める。

「うむ、春〜春春、これじゃ!
 春夏…シュウ、トゥ!
この流れで……行けるじぇ!!」

ゴホン!

「ユーに、”楽しい剣道”を……
   やっぱ!
     やれん!!」

「えーっ! アカンのぉ!!」

「まあ待ちな、その代わりに——
 このワシがぁ!
  勇者になる修行を、 
  伝授してやるじぇ!!」

「モーパッサン!
 明日の放課後から、
  修行を始めるじぇー!!」

「はい! デェマせ…師匠!!」

モーパッサンはそう言うと、元気に
校長室から出て行いった。

 静まりかえった校長室。
デェマは、床に落ちたプチプチ石を
拾い、コロン。
ウィスキーの空き瓶に放り込んだ。

「三ヶ月間で……
  ペンギニウムが三つ。
         まずまずじぇ」

 

デェマは、
怪く笑んだ。

謎の物質、ペンギニウムとは!?
そして、モーパッサンの修行が!
ついに始まる!!