さむらいペンギン 16 永遠の高校二年生

(2012.05.07)

◆16 「永遠の高校二年生」

ナタリーちゃんとシゲロウの
キスシーンを目撃したモーパッサン。

ウワァァァーン!
「初めてのキッスは!
君とチュウやったのにー!!」

彼は、意味不明な言葉を残し、
その場から走り去った。

 我も、デェマも、忘れて走る
モーパッサン。
彼はいつの間にか、島の端まで
辿り着いた……

ハッ!
またも、目の前は断崖絶壁ぃ!!

「もう、死んだる!」
しかし、背中の声は……
「ワシは死にとない」

「永遠の!
高校二年生になるんやぁ!」
「留年!
  しかけとるしのぉ……」

「ほんなら!
 死んだるぅぅー!!」

バビョョョーン!
     

 

 デェマは、ひょいと
飛び降りると!
モーパッサン
だけが、
凍える海へ
飛び込ん
だ!!

一時間後——
 秋も深まる南極に、パラパラと
雪が降り始めた。

 バサッ。

「ハア…ハア……」
 モーパッサンが、崖から這い
上がってきのだ。
その火照る身体に、初雪が降り
積もりる。

 バサァ。

「どうじゃ、モーパッサン。
少しは落ち着いたかの?」

「う、ううっ…… 
      デェマ師匠!!」

試験の当日——

「ねえ、聞いた。シゲロウの事」

「聞いたわよ!
ナタリーちゃんに無理やりキスを
して……思いっきりぶん殴られた
んでしょう!!」

「あと、モーパッサン。
        何あれ……?」

「留年がかかってるみたいよ」

ガラララ。
 担任のアレハンドロ先生が、
教室に入ってきた。

「それでは後期試験を始めます。
皆さん、筆記用具以外は机の上に
置かないでください。
モンタンくん!
イカはしまって下さい!
イカスミでの記入は認めてません」

キーンコーン、カーン、コーン♪

「はい、試験開始!」

ガリガリガリカリ。

モーパッサンは!
進級できるのかぁ!?
それとも!
永遠の高校二年生になるのかぁ!?