さむらいペンギン 17 ペンサル

(2012.05.14)

◆17話 「ペンサル」

ガリガリガリカリ。
モーパッサンは、
進級のかかった
南極史の
試験中。

「あと五分で、試験終了です」
と、担任のアレハンドロ先生。

 それを聞いたモーパッサン——
あ、あと五分……
南極史は自信あったんやけど…
あかん。
あかんよ、モーパッサン。
このままでは……
来年も高校二年生やん!
えーっと……
ペンサルが…皇帝ペンギンの皇帝
になったのは…
何年やっけたっ…け……?

集中、集中やでモーパッサン!
もうちょい!
もうちょいでぇ……
思い出だせるはずや!
ペンサル……
ペンサ…
ペン…
ペン…

ペン。

ペンペン。

ペン♪
ペンペン♪

貴方のお尻をペンペンペン♪

あかん、あかんよモーパッサン!
こんな時に!
ペンペンブラザーズの
「愛してペンペン」を、頭の中で
リピートォしてたらあかんよ!!

 こ、こうなったら……

いや、あかん!
それは、あかんよモーパッサン!

そう、心の中で葛藤する
モーパッサンだが……
シゲロウの答案用紙を——

     ググッ

げっ!

ニヤリ。

 モーパッサンは、シゲロウの
微笑みに——
寒い…
寒いねん、シゲロウ……
さ・む・い……
さ・む…  

はっ!

そうや!
そうやでモーパッサン!
「寒い(361年)皇帝、
       ペンサル」
やぁーん!

カリカリ……

一週間後——
試験結果の発表。

        ダーン

    ダーン

    ダーン

「デェマ師匠やりました!
全試験60点以上
でした!!」

「ようやったの、モーパッサン!
ほれ、米闘勉じゃ」

「久しぶりの米闘勉やーん!
これで!
勇者の修行に専念出来るでぇ!」

「モーパッサン、早速じゃが……
今度は勇者の試験じゃ。
もう一度、ワシを米闘勉で打ち据え
てみるんじゃ。
こっちは、六十点じゃのうて、
百点を取るつもりでやるんじぇ」

「はい! 師匠!!」

スッ。
  

ズバン!

コロ、
コローン。

「モ、モーパッサン……
ワシを殺す気かぁ?」

「すんません。
せやけど、師匠が百点って
言うから……師匠!
僕の”発破文踏み”は、何点ですか?」

「モーパッサン。
  ユーの発破文踏みは……
  37564点じゃ!!」

「えっ、ええ!?
どう言うことですか?」

「37564点……すなわち。
み・な・ご・ろ・し…じゃ」

「師匠……
    意外と根に持ちますね」

ポンポン。
ポンポン。
二ヶ月に一度、プチプチ島に
やってくる連絡船。
その船上に……

怪しげなペンギン達。

一体!
彼らは何ペンなのかぁ!?
まさかのぉ!
ペンペンブラザーズかぁ!?