さむらいペンギン 20 Mr. T

(2012.06.04)

◆20 「Mr.T」

カキ氷専門店ココナッツに、
突如、現れたachiのメンバー!

「宇治金時!」
「オーロラミルク!」
「クリオネパラダイス!」
「プレ〜ン〜!」

「ご注文は…
以上でよろしいでしょうか……」
と、シゲロウ。

「そんでぇ〜夜露死苦〜」

シゲロウは、カウンターの方を
振り返ると、
「店長……オーダー入りました」
     シーン
「兄さん!
 オーダーが入りました!!」

「い、いい、いいっ、
 いらっしゃいまっしぇ。
       は、ははは……」

      コッソリ

     

五分後——

「宇治ぃ!
京都より美味ぇんじゃねーの!」

「ギロッポンのナッツココの
 ミルオーとは!
  比べもんになんねぇー!」

「フレッシュす!
    クリオネフレッシュす!」

「ほほっ〜綿雪ような舌触り〜
淡白ながら〜地球の旨味を感じる〜
プレ〜ンなのに〜
   スプ〜ンが止まら〜んね〜」

キ ン!!

「きよった!
 きよったで〜われぇ〜!」

「兄さん、あのペンギンたち……
ヤクザですか?」

「俺はアキバ専門だったからな…
まあ夜の六本木には、ああいった
ペンな野郎が多かったぞ、
シゲロウよ。
おそらくおそらく、あいつらも……」

「店長〜!」

「はいはい!
何でしょーかねお客様!」

「あんたぁ〜店長のシゲ〜ルさん?
じつは〜ウチら。
今日ここに〜カキ氷を食べに来た
わけじゃ〜ないんよ。
これ〜これを渡しに来たんよ〜」
ネギマは、赤いメガネが描かれた
封筒を、シゲールに手渡した。

シゲールは、封筒から手紙を取り
出すと、読みはじめた。
「 ココナッツ本店 
       店長・シゲールへ
拝啓
 ココナッツグループのイメージ
戦略の成功は、貴店が人しれず。
誰も寄り付かない場所で、ひっそり
と営業をしているお陰である。
 今後も、出しゃばる事なく、
ひっそりとココナッツ本店として
営業をしてくれたまえ。

 話は変わるが……
日頃から私がお世話になっている
千年組という団体があるのだが、
その団体の構成員で、”achi”という
環境保護団体のメンバーが、貴店
のあるプチプチ島にしばらく滞在
をすることになった。
  彼らが困った時には、是非とも
力を貸してやってくれたまえ。

ココナッツオーナー  Mr.T より

P・S
京都より、愛と現ナマをこめて 」

シゲールが封筒の奥に手をやると、
1000Pen紙幣(約10万円)が一枚、
出てきた。

「まぁ〜そう言う訳〜
俺はachiの副リーダ〜ネ・ギマだ。
ネギマさん〜と呼んでくれ。
こいつらが〜
八郎〜!  九兵衞〜!  三郎〜!」

「夜露死苦!!!」

「つ〜ことで〜早速だが〜
  これ〜電波入らんのよ〜!」

「はいはいはい……
この辺はチリの電波を拾わないと、
接続が出来ないんですよ。
ちょっとそれを、お借りして……」
シゲールは、PenPhoneを受け取る
と、慣れた手つきで触りはじめた。

「はい、ネギマさん。
 これで、電波が入るように
        なりましたよ」

「おお〜
電波立っとるやんけ〜!!」

「私、五年ばかり……
秋葉原に住んでたので、
こういうのは得意なんですよ〜はは」

「秋葉にね〜ふ〜ん。
シゲールさん〜あんた気に入ったよ。
で〜そっちは〜?」

「弟のシゲロウです」
シゲロウは頭をペコりと下げた。

「じゃ〜また来るよ〜」
ネギマはそう言うと、
achiのメンバーと共に、ココナッツ
から去っていった。

「兄さん、あれはヤクザですよ!」

「ヤクザだな」

「兄さん、あいつら……
お勘定を払ってないですよ!」

「ヤクザだな(泣)」

「兄さん、
1000Pen紙幣が消えてますよ!!」

「ヤクザだな(大泣)」

ついに!
ヤクザ降臨!!
みんな!
夜露死苦!!