さむらいペンギン 24 おいちょカブ

(2012.07.02)

◆24話 「おいちょカブ」

崖から突き落とされた
モーパッサン!
再び、achiナイトフィーバーに
戻れるのか!

ガッ!
ガッ!

「ハァハァ、
もう少しでココナッツや。
ナタリーちゃん、待っててや!」

そう呻きながら、
頂上を目指すモーパッサン。

十分後——

ペタっ!

モーパッサンは、崖を登り切ると、

「あっ!  ナタリーちゃん!
       うむ…?」

   バキッ!

「ナタリーちゃん。
     もう一杯、いかが?」


  れ
  ぇ
  ぇ
  ぇ
  ぇ
  ぇ

  

   ピ
   ュ
   |
   ッ
 

 

ドシィィィィン!!

モーパッサンは、再び崖から
蹴落とされた。

三時間経過——

「ふぅーっ(汗)」
俺はココナッツのカリスマ店員、
シゲロウ。
 踊り狂っていたペンギンたちの
大半は、帰路についた。
地獄のような忙しさも一段落つい
たのだが……
 しかし!
俺様は苛立っている。
その原因のひとつ!
マイスィートエンジェル、麗しの
ナタリーちゃんが……

あのアホパッサンのことを!
いまだ待っているのだ!
あーっ、忌々しい!

まあ、アホパッサンの野郎は…
俺様の16cmキックで、二度も!!
奈落に蹴落としてやったから、
三度戻ることはあるまい。
クックックッ。

 あっ!

ナタリーちゃん…
もう、帰るのかぁ……
寂しいが…これで!
イラつく原因がひとつ消えた。

残るもうひとつは…

「8〜! 9〜! 3〜!
はい〜ヤクザで、私の負け〜
お客様〜みんな強いね〜」

そう、これだ!!

ワイワイ、ガヤガヤ。
「ありゃ? 今度は〜 
クッピン〜が出ちゃった…
  みなさん〜悪いね〜
このお金は〜環境保護に〜
  使わせてもらいますよ〜」

       

カキ氷の聖地”ココナッツ”で、
achiの連中、怪しげな賭博をやり
始めやがった!
島のオッペン達は、もう夢中!! 
兄さんも、連中から袖の下を貰って
上機嫌。
 ここは…
長いものに巻かれろスピリッツの
俺様主義に反するが、
「ネ、ネギマさん……
も、もう夜も遅いですし、
そろそろ…ここらで…お開きを…」

ガバッ!
ネギマは立ち上がると、
ゆっくりシゲロウに近づき、

「え〜っと、君〜。
 シゲロウ君〜だっけ〜?」

そこに!!
「ナタリーちゃん〜!
   好きやね〜ん!!」

    

「 ナタリーちゃん!
 帰ってもうたやーん!!」
  ウワァァー!

 
 三度、ココナッツに舞い戻った
モーパッサンだが…
悲しさのあまり走り去ってしまった。

「う〜ん。青春だね〜」

ネギマはそう言うと、振り返り、
「さぁ、皆さん〜気を取り直して〜
もういっちょ!
おいちょ〜しましょうか〜」
と、賭博に戻った。

ホッ。

アホパッサンのお陰で助かったぜ。
プププッ……
あいつ、泣きながら帰りやがった…

「おーっ! こりゃこりゃ!
カブアラシが出ちゃった!!
皆さん〜本当に〜
環境問題にご理解がある〜
さあ! もういっちょ!
おいちょ〜! おいちょ〜!!」

 

さあ〜来週も、もういっちょ!
おいっちょ!!
おいっちょ!!