さむらいペンギン 28 復讐のキュー

(2012.08.13)

◆28話 「復讐のキュー」

チュウ。
モーパッサンが夢にまで見た
ファーストキッス。
そのお相手は——

「えっ?
   チュウ?
 えっ?
    チュウ?
 えっ?   チュウ?」

完全にうろたえるモーパッサン。

「な、なんで…
 ナタリーちゃんやない…や…
 なんでぇ…?
 は、初めての…
初めてのチューは……
 ナタリーちゃんと…
    やったのに!」

 

「こ…こ……こ…こらー!
オイラじゃいけねーのかよ…
じゃなくて…お前ぇから!
チュウしてきたじゃねーか!!」

  ボコン!

「昨夜のお返しだぜぇ!!」

「痛い……何のことやねん?」
顔を抑えるモーパッサンの背後から、
ネギマが!
「兄ちゃん〜こいつをかぶりな〜」

ガポッ!

    ジャーン。

「ほれっ〜やっぱ〜
 兄ちゃんやないかぁ〜!!」
と、ドヤ顔のネギマ。

九兵衞はモーパッサンの前髪を
掴むと、
「これでもシラばっくれるのかぁ!
三平!!
オイラのキュウを持ってこい!」

九兵衛は、ビリヤードのキューを
受け取ると、
「お前もムチ打ちじゃ!」
 
  バキン!

           ウガッ!

「モーパッサーン!!」
叫ぶナタリーちゃん!!

九兵衛は、うずくまるモーパッサン
に向かって、
「おい! こら! お前ぇ!
 かかってこねえのかよ!!」

「デ、デェマ師匠が……
  闘う理由がないのに…
   闘ったら…あかんて…」
と、モーパッサン。

「何言ってんだお前ぇ!
  お前がいきなり!
   襲ってきたじゃねーか!」

バキン!

 

           ウゲッ!

「こう見えても…俺は。
プロのハスラーだったんだぁ!
だがよ!
ペンギンだしよ!
小さいからよ!
ビリヤード台にちゃんと、
手が届かねえんだよ!
小さいからって
  ナメんじゃねーぞぉ!」

「痛ぇぇぇ!」

ガッ!

ナタリーちゃんは、八郎の腕を
振りほどくと、
モーパッサンに駆け寄った!

そこに!!
九兵衞のキュウがぁ!

バコカーン!!

バタッ。
崩れるように、倒れる
ナタリーちゃん。

 ネギマは、九兵衛の肩を掴むと、
「お嬢ちゃんに〜
手を出したのは〜やりすぎだ〜!
 他の奴らがくる前に〜
       引き上げるぞ〜」