さむらいペンギン 32 ドン・スナギモ

(2012.10.01)

◆32  「ドン・スナギモ」

見事!!
ナタリーちゃんの敵をうった
モーパッサン。

   シーン

「モーちゃん…お久しぶり」

「び、びっくりした……
シゲールさん、いてたんや。」

「ちゃんと、三十話のここに——」

「すみません……
こんなことになってもうて…
せやけど! achiの連中!
ナタリーちゃんを殺したんや!!」

    ガーン!

「そ…そんな……
あいつら、そんなに酷い連中
だったのかぁ!!

あっ!

あっ!

あっ!

モ、モーちゃん、 後ろぉ!!」

  ブォーン

  バカーン!!

    ドシャーン!

ココナッツの壁に、
強烈に叩きつけられた
モーパッサン。

ドシッ。
  ドシッ。
ドシッ。

ゆっくりと迫る足音が、
ピタりと立ち止まると——
グビグビ。

ぷはぁ。

目の前には!
見たこともないほどの超巨大で!
嗅いだこともないほど!
酒臭いペンギンが!!

モーパッサンは、
巨大なペンギンを見上げると、
「な、何やねん…
お、お前は…誰なんやぁ!?」

巨大ペンギンは、
酒臭い息を吐きながら——
「 俺は…achiのリーダー、
 ドン・スナギモ様よ。

南極に来たらよぉ。
クリオネ料理の食べ歩きを
しないわけにはいかねーだろぉよ。
だからよ!
この二週間たっぷり、
クリオネ料理に舌鼓を打って
きたわけよ。

そいでぇ二週間ぶりに〜
子分どもに会いに来たら〜
この様よ!!
まぁずいぶんとよぉ…
こ、こいつら……くくっ(泣)
可愛がってくれたじゃねーかぁ」

グビッグビッ…
泣きながら再び、
酒をあおるスナギモ。

「ぷはぁ。
もう、我慢が出来ねぇ!!
この気持ちをひとつ!
スナギモ語録で言わしてもらうぜ。

プンプンプン!!!

親分!
子分!!
やな気分!!

どうだ!!
俺様の心の叫びが、
伝わってくるだろう!?」

  ・・・・・・

「いいかあ、兄ちゃん!
この礼は、キッチリつけてさせて
もらうぜ!

 一週間後の大晦日!

このドン・スナギモ様と——
   サシで勝負だぁ!!」

シゲールは青ざめた顔で、
「モーちゃん…モーちゃん……
やめといた方がイイよ」

「氷屋のオッサン!
 おどれは黙っとけやぁ!」

   ひぇ〜

「お面の兄ちゃん、どうよ!?」

モーパッサンは顔をあげると、
「ああ!
わかった!
やったるでぇ!
ナタリーちゃん、
死んでもうたし!
もう ヤケクソや!
何でもやったるでぇ!!」

「ナタリ〜?
誰だかわからねぇ〜が。
いい度胸だぁ!!
兄ちゃん!
首ぃ〜洗って待っとけや!!」

スナギモは言い残すと、
achiのメンバーたちを担ぎ、
ココナッツから立ち去って行った。

 シゲールはブルブルと震えながら、
「モーちゃん……ダメだよ!
モーちゃんも殺されちゃうよ!!
あ、あいつ、あいつ……
元相撲取りの……
 砂輝王(すなぎおう)だよ!!」

砂輝王だからスナギモ!
そんなわかりやすい
超巨大ペンギン!
ドン・スナギモ登場!!!