さむらいペンギン 37 コーチ

(2012.11.19)

◆37 「コーチ」

勇者を諦め、
公務員になるモーパッサン。
そんなパッサンに!
シゲロウの熱い一撃が!!

「勇者になることを諦める……
  モーパッサン!
    見損なったぞ!!」

「せやけど……
デェマ師匠もおらへんし……
ナタリーちゃんには嫌われるし……

もう、勇者にならんでも
    ええんねん!!!」

「デェマの行方がわからないのは
俺も驚いた…が、しかし!
これはデェマの問題ではないのだ
よ、モーパッサン。
聞くが、勇者とはなんだ!?」

「ええっ…強い…カッコいい……
    女の子にモテる…」

     バチーン!!

再び、シゲロウの熱い一発!!

「この馬鹿ペンがぁ!
勇者とは——誰もが恐れる困難に
立ち向かい偉業を成し遂げた者。
Wiki-pendiaには!
そう記されているのだ!!

モーパッサン……よ。
お前がナタリーちゃんの敵を打つ
ため、achiに立ち向かったと
兄シゲールから聞いた時は…
感動したんだぞ!!
お前が真の勇者になるには——
誰もが恐れる困難であり!
恐怖の権化!
デブで臭い!
あのスナギモと闘うこと!
そして偉業とは——
あのスナギモに打ち勝つこと
に他ならぬ!!」

モーパッサンは、
目を真っ赤にさせると——
「ううっ、シ、シゲロウ……
そこまで俺の事を…
お前はイヤミで!
陰気な!
嘘つきのクズペン!!
…やと思ってたけど……
ホンマは…

エエペンやんかぁ〜!!」

          ガバーッ


 ン

そこに、コンコン。
「モーちゃん、シゲロウちゃん、
オヤツに、
イカキャンデェはイカが…

…げ!!
…モーちゃん…ママは…
あなたがどんな生き方を選んでも…
応援するわ〜   」

プチプチ高校の校庭——

「モーパッサン、モグモグ…
お前の話を聞く限り、モグ…
デェマの修行は、意外とデェマかせ
でもない…モグモグ……ぞ…
モグ…我慢できないこの…
ビリビリのプレイペンギンを…
モグモグ…
研究のために…貸してくれ…モグ」

「ええっ…モグ…
しゃあない…モグモグ…
せやけど…
シゲロウの言うとおりやモグ。
なんやかんや言うても、モグモグ…
デェマかせ修行で…実際に強く
なったからなぁ……モグモグ。
せやけど修行のほとんどは…
プレイペンギンと同じような修行
やったで…シゲロウ。
冬の”達磨斬り”だけ、
なんかちゃうかったけど…モグ」

「俺様、シゲ様思うに——
桜吹雪斬り・百海振り・発破文踏み
は、デェマがプレイペンギンを見て、
その場で考えたデェマかせ修行。
しかし!
お前が一度も成功していない
”雪達磨斬り”は、実は本当に実在
する修行なんじゃないか!
だからこそ”雪達磨斬り”は、
プレイペンギンに載っていなかった…
言い換えれば、本当に実在する修行
なら、雪達磨を真っ二つにする
ことは可能!!
それが出来れば……きっと、
スナギモに勝てる!!」

「なるほど……良くわからへんけど、
”雪達磨斬り”は出来るねんな!」

「ああっ!
お前なら出来るぞ、モーパッサン!
よし!!
今日から俺が……
お前のコーチになってやる!!」

     ガバーッ

「シゲロウ!!
  ありがとう!!!」


 ン

またも、熱い抱擁をする二匹。
シゲロウはモーパッサンの耳元で、
甘くやさしく——
「必ずスナギモに勝つぞ…
絶対勝つぞ…モーパッサン…」

そう言うと心のなかでは——
絶対に勝ってもらわなければ……
困るんだよモーパッサン!!
なぜなら…
俺様の将来が…
俺様の将来が…

お前の勝利に
    かかっているからな!!

一体…
俺様の将来とは!?
そして…
”達磨斬り”はマスター出来るのか!?