さむらいペンギン 38 ダルマスパーン

(2012.11.26)

◆38 「ダルマスパーン」

27日 朝——

シゲロウは腕を組と、
「モーパッサンよ。
昨日は 、お前が
デェマから学んだ
修行 の数々。

お前自身の
戦ペン力を
しっかりと
見させてもらった。

ハッキリ
言っちゃうけど……
かなりのものだよ!!

しかし!

カリスマ剣道コーチの俺様の分析
によると——スナギモに勝つには!
”達麿軌り”をマスターしなければ
ならないだろう!!!」

   「ウッス!」

「モーパッサンよ。
試合まで、今日を入れてあと五日!
その五日間で、どれだけ効率よく
修行をするかが……
 勝敗の鍵を
  ニギニギするのだ!!」

   「ウッス!!」

「今日はお前に、
少し遅いクリスマスプレゼントを
用意した。 これだ!!!」

   ジャーン

プレゼントを受け取るモーパッサン。
「こ…これは……
なんやシゲロウ・コーチ!?」

「これは、達磨切り養成ギブス。
その名も……
”ダルマスパーン”
兄シゲールと夜なべして制作した
ハイテクマシーンだ!!

モーパッサンよ!
このダルマスパーンを決闘直前
まで身に着けるのだ!
そして……
決闘直前に、ダルマスパーンを外せ
ば……
お前の戦ペン力が!!
飛躍的に上がるはずはず!!!」

「う…動けへんねんけど…」

「モーパッサンよ。
そのバネの強さは、スナギモの
パワーを想定したものだ。
お前なら、五日間で普通に動ける
ようになるはず!!

わかったか、モーパッサン…
必ずスナギモに勝つのだ!!
いや……
絶対に勝つのだ!!!」

「ウ…ウッス……」
動きの硬いモーパッサン。

「あっ、モーパッサン。
お前…知ってるか。
大晦日の”achi-fight club”で、
お前とスナギモの試合が…
賭けの対象になっているのを?」

「えっ! ホンマに!!
 俺とスナギモ……
   どっちが人気なんや?」

「今のところ倍率は20:1 。
残念ながら、モーパッサン……
お前の倍率は20倍だ!」

「えっ!!
20倍も俺が人気なんや!!
やっぱり地元のプチっ子やから
かなぁ……ははは」

「違うぞ、モーパッサン!
お前の人気が20倍ないのだ!!

おいおい、
しょげるなモーパッサン。
俺は、お前がスナギモに勝ち!
見事、勇者になると信じている!
だから、お前に賭けたんだぞ!!」

「ううっ、ありがとうシゲロウ!!」

「モーパッサン。
まずは、ダルマスパーンを身に
つけたまま素振りをしてみろ!!」

「よし、いくで……

    

ごけ     ない!

 
      ………うっ…っ……」
 
「はは、初めはそんもんだろう
モーパッサン!
俺は今から、スナギモの戦ペン力を
スパイしてくる。
敵を知り己を知るということだ……

アデォス!
   モーパッサン!!」

「アっデ…押っす…
  シゲロウ…っ……」

超強力ダルマスパーン!!
これで雪達磨を!
スパーン!! と斬れるのか!?

「凄いで、シゲロウ・コーチ!」
そう言うとダルマスパーンを装着
するモーパッサン。