東京で初公開。『「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展』
(2015.09.14)
漆黒に銀河のようにきらめく神秘的な陶肌で知られる名作 曜変天目茶碗。世界にわずか3碗しか存在せずその全てが日本にあります。東京では『静嘉堂文庫』のものが有名ですが、現在『サントリー美術館』では大阪『藤田美術館』所蔵のものが公開されています。曜変が器の茶溜まり、見込みの内側のみならず外側でも見られるたいへん稀な例となっています。
明治の実業家・藤田傳三郎（ふじたでんざぶろう・1841～1912）は廃仏毀釈による仏教文化の衰退を憂慮し仏教美術の保護に邁進しました。茶道具にも慧眼を持ち一流の茶道具も多く収集しました。『藤田美術館』は傳三郎とその子 平太郎、徳次郎の収集品を公開しているもので、国宝9点、重要文化財52点を擁しています。今回の展覧会は『藤田美術館』の収蔵品が初めて東京で公開されています。
初秋、美の真髄に触れてみてください。
国宝 曜変天目茶碗 中国・南宋時代 12～13世紀、藤田美術館蔵 撮影：三好和義
National Treasure, Tea Bowl （Chawan）, Tenmoku glaze with glistening spots （Jp. yōhen）, China, Southern Song dynasty, 12th-13th century, Fujita Museum, Photo: Miyoshi Kazuyoshi ＊画像の無断転載を禁止します。
重要文化財 地蔵菩薩立像 快慶作 一躯 鎌倉時代 13世紀 藤田美術館蔵 撮影：三好和義
Important Cultural Property, Standing Jizō Bosatsu （Sk. Ksitigarbha）By Kaikei, Kamakura period, 13th century, Fujita Museum, Photo: Miyoshi Kazuyoshi
国宝 紫式部日記絵詞 一巻（部分） 鎌倉時代 13世紀
藤田美術館蔵 National Treasure, Murasaki Shikibu Nikki Ekotoba （Illustrated Diary of Murasaki Shikibu）One scroll (detail), Kamakura period, 13th century, Fujita Museum
国宝 仏功徳蒔絵経箱 一合 平安時代 11世紀 藤田美術館蔵 撮影：三好和義
National Treasure, Sutra Box （Kyōbako）, with illustrations of Buddhist virtues in makie lacquer, Heian period, 11th century
Fujita Museum, Photo: Miyoshi Kazuyoshi
国宝 玄奘三蔵絵 十二巻のうち第一巻（部分） 鎌倉時代 14世紀 藤田美術館蔵
National Treasure, Genjō Sanzō’e （Illustrated Life of the Tripitaka Master Xuanzang）, One of twelve scrolls (detail)
Kamakura period, 14th century, Fujita Museum
交趾大亀香合 一合 中国・明～清時代 17世紀 藤田美術館蔵 撮影：三好和義
Incense Container （Kōgō）, Cochin-ware with turtle-shaped lid
China, Ming-Qing dynasty, 17th century, Fujita Museum, Photo: Miyoshi Kazuyoshi
なお9月22日（火）11:00～11:30、13:00～13:30、15:00～15:30には『サントリー美術館』6Fホールにて『体験型ミニレクチャー「はじめてひらく 美のとびら」シリーズ：茶道具の巻』も開催。当日先着順各回40名。3F受付にて申し込み可です。
『「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」展』
会期：2015年8月5日（水）～9月27日（日）
会場：『サントリー美術館』
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
開館時間 10:00～18:00 （金・土は10:00～20:00）
9月20日（日）、21日（月・祝）、22日（火・休）は20時まで開館
休館日：火曜 ＊9月22日は（火・休）開館
料金：一般 当日 1,300円、大学・高校生 当日 1,000円
＊入館は閉館の30分前まで
＊期中展示替をおこないます。
＊各作品の出品期間は、出品作品リスト参照