大いなる詩人のすべてがわかる 『声ノマ 全身詩人、吉増剛造展』

(2016.06.24)
パフォーマンスのための道具(サヌカイト、ハンマー、鏨、イクパスイ、アイマスク) Photo / Kioku Keizo
パフォーマンスのための道具(サヌカイト、ハンマー、鏨、イクパスイ、アイマスク) Photo : Kioku Keizo

約50年間におよぶ創作活動を続けている現代詩を代表する詩人の一人、吉増剛造(よします ごうぞう)さんの大展規模な覧会が東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリーで開催中です。

展覧会タイトル「声ノマ」の「マ」は間でもあり魔であり、真、目、待、蒔、磨、交、舞、摩、増とさまざまな意味が込められている……漢字をカタカナに置き換え音にすることで言葉が本来もっていた多義性を回復させる吉増さんの創作活動の一面が結実しています。

作品は詩のみならずパフォーマンス、録音した自らの声、写真、ロードムーヴィー的映像作品、オブジェ、ドローイングと多岐にわたっており、それらが結集した本展は机上、印刷物には収まらない詩人、そしてアーティストとしてのスケールの大きさが体感できます。

朗読パフォーマンスをする吉増剛造 Photo / Sayuri Okamoto
朗読パフォーマンスをする吉増剛造 Photo:Sayuri Okamoto

若かりし時分から2011年までの日記、多重露光を中心とした写真、言葉を打ち込んだ銅板作品、自身の声を録音したカセットテープ、ロード・ムーヴィー、東日本大震災の約1年後から書き続けられているドローイング・コラージュ・テキストが一体となった生原稿などの展示のほかパフォーマンスなど多彩なイベントも行われます。8月7日(日)までの会期中にはギャラリートークも多く開催予定で本人の飛び入りもありそうです。

聴覚・触覚までも刺激する空間と、吉増さんの軌跡に触れられる貴重な機会を堪能してください。

『裸のメモ』より(部分) 2013 年 © Gozo Yoshimasu
『裸のメモ』より(部分) 2013 年 © Gozo Yoshimasu

*パフォーマンス
2016年6月25日(土)14:00〜15:00 大友良英+吉増剛造
・要観覧券、要整理券(当日10:00より1階受付で配布、先着100名、開場は開演の30分前)

*対談
2016年8月6日(土)14:00〜16:00 佐々木中+吉増剛造
・要観覧券、要整理券(当日10:00より1階受付で配布、先着140名、開場は開演の30分前)

*映画 
「リトアニアへの旅の追憶」 
監督:ジョナス・メカス 日本語字幕付 16mmフィルム
2016年7月16日(土)14:00〜16:00 吉増剛造によるアフタートークあり
2016年7月17日(日)14:00-15:30

「島ノ唄」(監督:伊藤憲 主演:吉増剛造)
2016年7月23日(土)14:00〜16:00 伊藤憲、吉増剛造によるアフタートークあり
・要観覧券、要整理券(当日10:00より1階受付で配布、先着140名、開場は開演の30分前)

*本展企画者保坂健二朗によるギャラリートーク
2016年7月1日(金)18:30〜19:30
2016年7月9日(土)14:00〜15:00
2016年7月30日(土)14:00〜15:00
・申込不要、要観覧券

『声ノマ 全身詩人、吉増剛造展』

会期:開催中〜2016年8月7日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
所在地:千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00、金〜20:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(祝日の場合は開館)、7月19日(火)
料金:一般1,000円、大学生500円
本展使用済み入場券を提示で2回目以降は特別料金(一般 430 円、大学生130 円)で観覧可。