Magazinehouse Digital Gallery vol. 11 1980年5月『BRUTUS』創刊号より
その3 目を覚ませ、ブルータス!

(2011.06.22)
『BRUTUS』創刊号のプレゼンテーションはまだまだ続く。今回はアメリカのエグゼクティブの休日の過ごし方をテーマにしたページを紹介しよう。「休日はただもう夢中になるばかりなり」で始まるアウトドア・アクティビティの提案だ。家族でバイクパークに出かけて250ccのモトクロッサーを乗り回す。40フィート超のモーター・クルーザーで外洋に乗り出す。4WDでオフロードを駆けぬける。いずれも当時の日本ではとても実現できそうもない、スケールの大きな遊びだった。だがそれもバブルに向かう時代の中で、数年後にはスポーツバイクのブームが到来、’80年代後半になると4WD車の一大ブームが巻き起こり、現実のものとなる。

『BRUTUS』は同時に、休日のファッション提案にもをページを割いている。誌面にはこうある。「休日にはいい物を着る」「オン・デューティを控えめに着こなす。となると、オフ・デューティは、着ることの楽しみを最大限に追求するのでアル。たとえばスーツが1着買えようか、というようなシルクのシャツをさりげなく着こなすのだ」。そして、ピンキー&ダイアンのプリントシャツなどを紹介し、「着ることによって得られている気分を考えれば、決して高すぎるということでもない。ほんのちょっとの贅沢にすぎないのだ」と締めている。『BRUTUS』はまさにバブルを先取りしていた。

 

Magazinehouse Digital Gallery 過去の名企画をライブラリーから

1945年創刊の『平凡』に始まり、『週刊平凡』、『平凡パンチ』、1970年代になると『anan』、『POPEYE』、そして『BRUTUS』『Olive』『Hanako』、最近では2011年3月創刊の『Lips』まで、マガジンハウスは時代とともに歩み、時代にあった雑誌を作り続けてきました。その間、それぞれの雑誌ライフスタイルを体現した読者たちは「みゆき族」「アンノン族」「ポパイ少年」「ハナコ族」などと呼ばれ、時代を象徴する存在となりました。『Magazinehouse Digital Gallery』は、マガジンハウスの豊富なライブラリーの中から、過去の雑誌の名企画を拾い出し、資料画像として限定公開する企画です。すでに入手困難となった創刊号、また世間を騒がせた名企画など、興味深い企画を順次公開していく予定です。