Culture 女性のための、元気になれる俳句57 選・如月美樹 朝顔やすでにきのふとなりしこと 鈴木真砂女 朝顔は秋の季語。早朝、花を開いた朝顔を見て、昨日という時がもう過ぎ去ったものなのだと改めて知る。それは美しく甘い記憶 … (2009.08.24) Culture 女性のための、元気になれる俳句56 選・如月美樹 七夕の雨来て姉妹翼とぐ 八木三日女 今年の旧暦七夕は8月26日。俳句では七夕のことを「星の恋」ともいう。この美しい季語のことを、俳句を知らない友人に話し … (2009.08.17) Culture 女性のための、元気になれる俳句55 選・如月美樹 いつの間にがらりと涼しチョコレート 星野立子 「涼し」が夏の季語だときいて、意外に思う人もいるかもしれない。暑い夏の日、不意に風が通り抜けていくときなどに感じる、 … (2009.08.03) Culture 女性のための、元気になれる俳句54 選・如月美樹 夜濯ぎを干す音楽のある部屋に 能村研三 夜濯ぎ(よすすぎ)は、夜に洗濯すること。ちょっとしたものを手で洗って、夜風に吹かれ、星を眺めながら干すという、情緒が … (2009.07.27) Culture 女性のための、元気になれる俳句53 選・如月美樹 らんらんと星ひとを恋ふ籐寝椅子 橋本美代子 見るからに涼を誘う籐椅子は、大正のころから俳句に見られるようになった新しい季語。当時はモダンな印象があったという。 … (2009.07.21) Culture 女性のための、元気になれる俳句52 選・如月美樹 青い薔薇あげましょ絶望はご自由に 池田澄子 季語は薔薇。中世のヨーロッパでは、薔薇の品種改良をおこなっていた職人が、秘密を漏らさないよう処刑されることもあった … (2009.07.10) Culture 女性のための、元気になれる俳句51 選・如月美樹 紫陽花の醸せる暗さよりの雨 桂信子 俳句は短い。しかも季語を入れるという約束もある。つまり、17音しかない中で、無駄なことは言えないということだ。俳句 … (2009.07.01) Culture 女性のための、元気になれる俳句50 選・如月美樹 万緑や死は一弾を以て足る 上田五千石 見渡す限りの緑、緑。「万緑(ばんりょく)」は、文字通りそういう意味であるが、夏にみなぎる大地の生命力をもあらわす。 … (2009.06.08) Culture 女性のための、元気になれる俳句49 選・如月美樹 汗臭き鈍の男の群に伍す 竹下しづの女 「鈍」は「のろ」と読む。季語は「汗」。夏の季語である。「額に汗して働くグズな男どもに自分も伍して働いていくのだ」とい … (2009.05.18) Culture 女性のための、元気になれる俳句48 選・如月美樹 百合剪つてくれし少年尼僧めく 中村苑子 暦の上ではもう夏。百合は夏の季語だ。 萩尾望都や竹宮恵子の漫画に出てくる少年たちに胸をときめかせた少女時代。あの … (2009.05.11) Culture 女性のための、元気になれる俳句47 選・如月美樹 つばくらめナイフに海の蒼さあり 奥坂まや 「つばくらめ」はツバメの和名。彼岸のころ南方からわたってくる、春の到来を感じさせる鳥だ。すいと飛ぶツバメは、目の前の … (2009.04.20) Culture 女性のための、元気になれる俳句46 選・如月美樹 天よりもかがやくものは蝶の翅 山口誓子 しばしば美しいものの代名詞とされる、と歳時記にあるが、蝶が苦手だという人は多い。私の高校時代の友人にもいた。しかし … (2009.04.13) Culture 女性のための、元気になれる俳句45 選・如月美樹 家深くゐて花時の素顔かな 長谷川双魚 「花」といえば「桜」をさすのが季語の決まりごと。桜という花が日本人のこころに深く関わってきた証だといえる。とはいえ、 … (2009.04.06) Culture 女性のための、元気になれる俳句44 選・如月美樹 一落花琴線を掻き鳴らしたる 後藤比奈夫 「昨日の風でもう桜もおしまいね」。こう言う人がいた。彼女は落花の舞い散るさまには興味がなく、「ああ、満開をすぎてしま … (2009.03.30) Culture 女性のための、元気になれる俳句43 選・如月美樹 スープに浮ぶ灯すべて乱してさくらの夜 桂信子 特別な意味なんてないのだ。桜の咲く夜。晩餐のスープに映る幾多の光。それをスプーンですくうとき、すべての灯が乱れたと … (2009.03.23) Culture 女性のための、元気になれる俳句42 選・如月美樹 恋猫の恋する猫で押し通す 永田耕衣 初めて猫を飼ったときは、発情というものを知らずに、ふだんと違うあの騒々しい声にただただ驚き、気が狂ってしまったとし … (2009.03.16) Culture 女性のための、元気になれる俳句41 選・如月美樹 ふだん着でふだんの心桃の花 細見綾子 飾らぬ普段着で普段の心。当たり前のようだが、よく胸に手を当てて考えてみる。果たしてそうなのか? 私たちは、外面を … (2009.03.09) Culture 女性のための、元気になれる俳句40 選・如月美樹 美しき厄を山積み雛の船 鷹羽狩行 「雛の船」とは、流し雛を乗せた船。流し雛とは、3月3日、川辺から雛を流す風習のことだ。古くは、祓いに使った形代を、ケ … (2009.03.02) Culture 女性のための、元気になれる俳句39 選・如月美樹 如月から弥生へぬける猫の足 柿本多映 如月は旧暦の二月、弥生は三月のこと。俳句的な季感では仲春から晩春ということになろうか。 寒い季節にはまるくなって … (2009.02.23) Culture 女性のための、元気になれる俳句38 選・如月美樹 氏素性なくて美し春灯 吉屋信子 小説家である信子が、俳句もよくするようになったのは、戦時中に小説を発表することを禁じられたときからだという。掲句に … (2009.02.16) Culture 女性のための、元気になれる俳句37 選・如月美樹 三寒に発ちて四温に戻る旅 稲畑汀子 三寒四温は冬の季語だが、いま頃の実感だろう。テレビのお天気ニュースなどでもさかんに使われる言葉だ。 「三寒四温」と … (2009.02.09) Culture 女性のための、元気になれる俳句36 選・如月美樹 どこからが春どこからか春立ちぬ 津根元 潮 2月4日は立春、暦の上では春のはじまりだ。とはいえ、実際は、日本列島がもっとも冷えている頃である。 思うに、やは … (2009.02.02) Culture 女性のための、元気になれる俳句35 選・如月美樹 顔上げよつららがつらら着る夜も 櫂未知子 つららがつららを着る、とは、一度、あたたかい日差しで溶けかけたつららが、また厳しい寒さで凍ってしまうことのたとえだ … (2009.01.26) Culture 女性のための、元気になれる俳句34 選・如月美樹 寒玉子狂ひもせずに朝が来て 岡本眸 寒中の鶏卵は、ことのほか栄養価が高いらしい。また、この時期は産卵期でもある。というわけで、「寒卵」は冬の季語である … (2009.01.19) Culture 女性のための、元気になれる俳句33 選・如月美樹 白鳥の胸を濡らさず争へり 吉田鴻司 白鳥は冬の季語。胸を濡らさず争う、という表現を「たとえ争うときでも、誇りを失わないことだ」と説明してくれた人がいた … (2009.01.13) Culture 女性のための、元気になれる俳句32 選・如月美樹 日本がここに集る初詣 山口誓子 みなさん、あけましておめでとうございます。 さて、新年といえば初詣。私は地元の小さな神社に行くのだが、人気の神社 … (2009.01.05) Culture 女性のための、元気になれる俳句31 選・如月美樹 柔かき海の半球クリスマス 三橋敏雄 よく「俳句は自然を詠むものだ」というが、街に流れるクリスマスソングを聞いて冬を実感し、テレビで『行く年来る年』を見 … (2008.12.22) Culture 女性のための、元気になれる俳句30 選・如月美樹 あこがれはオリオンの裏側のやみ 鎌倉佐弓 夜、オリオン座が南の天高くのぼる時期になると、冬だなあという思いを強くする。天体望遠鏡を買ってもらった小学生のとき … (2008.12.15) Culture 女性のための、元気になれる俳句29 選・如月美樹 息白くして愛しあふ憎みあふ 鷹羽狩行 空気がきりりと引き締まって、吐く息が白くなると、まさしく冬。 「息白し」という季語は力強い生命力をあらわす。この句 … (2008.12.08) Culture 女性のための、元気になれる俳句28 選・如月美樹 凍蝶のふと翅つかふ白昼夢 野澤節子 女学校時代に脊椎カリエスを病み、中退して長い間病にふせっていたという作者は、それゆえ自己の内面を見つめる冷徹な視点 … (2008.12.01) Culture 女性のための、元気になれる俳句27 選・如月美樹 絨毯の美女とばらの絵ひるまず踏む 柴田白葉女 「絨毯」は冬の季語。昔はぜいたくなものだったに違いない。 美女と薔薇の絵が描かれた絨毯は、きっと訪れたお屋敷に敷か … (2008.11.25) Culture 女性のための、元気になれる俳句26 選・如月美樹 八ツ手散る楽譜の音符散る如く 竹下しづの女 このところ、民家の軒先に八つ手の花が咲いているのをよく見かける。俳句を始めるまでは、目にもとまらなかった花だ。葉が … (2008.11.17) « 前ページへ 次ページへ »