女性のための、元気になれる俳句33 選・如月美樹 白鳥の胸を濡らさず争へり 吉田鴻司

(2009.01.13)
 

 白鳥は冬の季語。胸を濡らさず争う、という表現を「たとえ争うときでも、誇りを失わないことだ」と説明してくれた人がいた。実際、俳壇でもこの句はそのように解釈されているようだ。
 果たしてそうだろうか。白鳥は、優雅に見えるが水面下では激しく水掻きを動かしているという。美しい女性たちであればこそ、実は水面下では壮絶な争いが繰り広げられている、そのことを詠んだとは言えないか。
 もちろん、解釈は自由。俳句は、どう読んでもいいところがおもしろいのだから。