『SARAVAH 東京』こんにちは。- 8 - ロゴ完成!

(2010.11.29)

ロゴができました、じゃん。「SARAVAH」と「東京」をうまく組み合わせられないかな。というのが課題でした。SARAVAHはローマ字で東京は日本語で、と思っていました。

偉そうに世界のトレンド都市、「東京」とつけたのは、あたかもNYやロンドン、北京、などなど、世界の大都市すべてにあるように見栄を張ってみたのです。ですからちょっと冗談ぽい、東京のロゴがいいな。と思ってました。よくヨーロッパの怪しげなニセ江戸前寿司屋のロゴにあるような、絶対日本の店では使わないフォントが良いと思いました。

どうしようかなとデスクで絵をいろいろ描いていたら後ろを通りかかった息子のアキラが「クロスロードだから文字もクロスしたらいいじゃないの?」と。あ、そうか、それは面白い。それにサーカステントみたいな西洋見世物小屋の雰囲気も入れて、今のかわいいロゴができました。色はサラヴァカラーのパープル。周りにはしめ縄をはって、なんだか酒屋さんの屋号みたい。

近所にやはり丸いロゴのスターバックスコーヒーがあります。彼らはグリーンの丸の中に女性がいてけっこうかわいい。ぬぬ! SARAVAHもよく見るとかわいいぞ。規模ではめちゃくちゃ負けていますが……というわけでロゴ完成!

 

 

旅の外国人がたどり着ける場所

この店は外国人のお客さんにもぜひ来てほしいと思っています。だからサイトもおいおいと英語バージョンを作るつもりです。私たちが外国を旅していて、昼間はいろいろ歩き回り、夜はその国の庶民がいくような店で食べて、さて、そのあとは何をしようか。と言うとき、楽しみはその国の踊りや音楽を聴きに行くことです。

でも東京で、日本の音楽を生演奏で聴こうとしても、まず無理です。面白いライブハウスは高円寺や吉祥寺の込み入った道の奥にあったり、外国語にはまったく対応してくれなかったり、つまりないも同然なのです。

私たちは外国人でも見つけやすい場所にこだわりました。その点この渋谷は最高です。昼間遊んで、軽くご飯食べて、そのあと一杯飲んで、安いお金で日本の音楽を楽しんでほしい、と思うのです。世界中の人が日本の文化にあこがれて,しかも今、日本の音楽家たちのレベルはすごい、(人もいる)なのにそとに発表する場所がないのは本当にもったいないです。以前SARAVAHで『くさまくら』というコンピレーションアルバムを出しました。

『くさまくら』は当時20歳だったマイアが初めて日本の音楽に触れて、こんなすごい、連中がいる! という感動をそのままコンピレーションにまとめたものです。奄美大島の歌い手さんから、一人オペラ、マヌーシュギターをじょんがら節みたいに弾く天才、日比谷カタン、ネオチンドンかぼちゃ商会から、アイヌのOKI。なんともすばらしい、多様性の玉手箱。

 

 

アニミズムの経済大国

マンガもすごいけど音楽もすごいのです、第一、世界でこれほど、アニミスティックな文化と21世紀的テクノロジーが共存している国なんてほかにありますか? アジアのはじっこの島国であること、地形が複雑で、幹線道路や鉄道が引きにくく、極端な中央集権から地方分権に移りそこなったことなどがこの場合、幸いしてしまって、日本にはすごいルーツ音楽がばっちり残ってしまっているのです。

また、西洋の国のように文化庁が若者を助けてくれないので、(私の知っているフランスやカナダではCD製作やコンサートツアーは国の援助が当然です)どうせ、誰も助けてくれないなら思いっきりやっちまえ。と言うので、激しく個性の道に突っ走る人たちがいます。

ほとんどの日本人はおとなしく個性をつぶして地味に生きていてフランス人から見ると個性がない。と思われがちですが、個性のある日本人は根性が違う、フランスの個性的と見せかけて実はパターンにはめられた多くの人たちとはスケールが違います。(もちろん向こうにもすごい人たちはいます)でも、やはり創作活動に国の援助を申請するようになると、国のフォーマットにあったもの作りに偏ってきてしまう。という弊害があります。

パラドックスですが、日本の政治が失敗したことが音楽には良い結果を生んだということでしょうか? しかしながら日本はアーチストを持って大切にすべきと思いますよ。だって本当の財産でしょうが、知的財産って……トヨタの車を100万台売るのは偉いけど、浦沢直樹さんが彼の腕一本で1000万部のマンガを世界で売るのってめちゃくちゃかっこいいと思います。

というわけで日本のアバンギャルドは本当に激しい。外国人が驚嘆して感動します。そんな彼らの才能をぜひ輸出したい。彼らを引き連れて世界ツアーしたい。私たちの夢です。

過去に3回、マイア・バルーが『キャバレー新宿』と銘打って、フランス・ベルギーを廻りました。『SARAVAH東京』でも才能を集めて、ヨーロッパツアーやりたいです。

 

 

現場で頑張る美大生たち

一方現場では、ムサビ(武蔵野美術大学)の学生君たちがかなりボランティアに近い状態で舞台を作ってくれています。うれしいかぎりです。彼らはDJボックスと可動ステージを木工で作ってくれています。『SARAVAH東京』に若い彼らが参加してくれることで、彼らの芸術活動も店の舞台で演じられる、いわばギブアンドテイクがこれから始まることになるでしょうし、そうして又新しい世代のクリエーターたちにこの場が引き継がれていくのでしょう。

がんばる美大生君たち。たのもしや~

彼らだけでない今の美大の連中は私たちの青春時代のようにひねくれていない、素直でコンプレックスがない、とてもいい感じです。思い切りおおらかに創作してほしいと思います。

 

 

『SARAVAH 東京』12月ラインナップ

開店まで2週間、プログラムの印刷もできました。ソワレ君のお仲間がほとんどですが、マイアも出るし、素晴らしいバイオリンの金子飛鳥さんとレザ・パネさん、期待のかりんさんもフューチャリングしています。

ソワレ君主催のイベントでは不思議な歌手のみなさん。ひとひねり、ふたひねりした楽しさのエルナ・フェラガ〜モさんやギャランティーク和恵さん。まさに見世物小屋の楽しさで皆さんを驚かせること請け合いです。まだまだプレオープニングですが、楽しみにしてください。

来年2月18日にはピエール・バルーのコンサートでグランドオープンします。1月にもいろいろ初めての顔合わせ、楽しいダンシングナイト。そして大竹昭子さん、堀江敏幸さんとピエール・バルーのトークイベント。わたくしセレクトのおいしいワイン。かなり濃い箱のなりそうです。さあ、予約待ってまっせ。

※クリックで拡大

 

 

『SARAVAH 東京』のホームページがオープンしました!
 http://www.saravah.jp/tokyo/