『Age(アージュ)』みうらじゅん×リリー・フランキーの「毒ある人生相談」スペシャル 私の2大アイドルに心が震えたあの夜の出来事……。

(2009.07.17)

ひょんなことから、今回お手伝いとして取材に同行させてもらうことになった。
ひょんなことから、そのページにイラストを描かせてもらえることになった。それは、

 

『みうらじゅん×リリー・フランキーの「毒ある人生相談」』

 

というページ。こんなことって、あるのだろうか。

このお二方は、私の2大アイドルだ。取材に同行なんて、考えただけで耳の中で心臓の音が聞こえてくるほどである。そのくせ私は長い間「サブカル」という言葉を知らなかったのだが、それは両氏の記事や著書を「サブ」なしのカルチャーとして10代を過ごしてしまったためなのである(サブカルというのは、何かとても卑猥な言葉だと思っていました)。

そんなお二人の取材だ。楽しくないワケがない(私が)。面白くないワケがない(お二人が)。そして実際、誌面を見て頂ければお分かりのように、お二人の対談は非常に面白く、その場にいた私は下の写真を見てお分かりのように、思いっきり楽しかったのである。

今回の人生相談は、いわゆるアラフォーと呼ばれる世代の女性たちが抱える悩みを、両氏がちゃぶ台をひっくり返すいきおいで解決(なのか?)する、というものなのだか、アラフォーだとか年齢を問わず、女性は全員読んだ方が良いと思う。全員。両氏が語る女性の魅力というのは、非常に根本的なところにあるからだ。私は二十代だが、これから年をとっていく女として、聞けて良かった!というお話ばかりだった。なんというか、言い方はメッタ斬りだけど、内容は紳士なのだ。女性の根本的なところを見透かされていると同時に、見てくれている、という感じ…。

なんて書いていると、取材時を思い出して顔が弛緩しきってしまう。
私は今回お手伝いとして同行させてもらった訳だが、それは取材中、ライターさんやカメラマンさんたちがお仕事をしている間、それが円滑に進むように諸々サポートするということであって、つまりはリリー・フランキー氏とみうらじゅん氏の両氏に飲みのものの注文を伺ったり、ひっきりなしに煙草を吸っている両氏の灰皿を交換したりもする!ということなのである。
やっていることは思いっきり店員だが、今までこんなに店員役が楽しいと思ったことは一度もない。そして店員役でこんなに緊張したこともない。「近い!この暖かさは、まさか体温?!!!」ヘタしたらこれは、ライターさんやカメラマンさんたちを差し置いて誰よりもお二人に近寄っているんじゃないだろうか?! と、それはそれはドキドキしながら震える手を抑えていたのである。

取材後、そんな私を見た周りのスタッフさんから小声で「写真撮ってもらいなよ」と脇を突かれたが、「嫌われたくない!」とそんな勇気はなく(完全に片想いの心理)首を横にふっていたのだが、周りの方の一声で写真を一緒に撮ってもらえることになった。そして取材後にも関わらずお二人とも快く承諾してくださった上に、なぜか「肩を組んで」ということに。私は心臓が飛び出る思いで両氏の肩に腕をまわすと、左手のみうらじゅん氏には「もっとこうさ、手をシナっと乗っけた方がいいよ」と言われ、右手のリリー・フランキー氏には「やっぱ若い人の脇の下ってあったかいんだな」と呟かれ、私は「もう死んでもいい…」と気が遠くなりかけたのであった。

両氏が帰られた後も、私は夢心地で後片付けをしていたが、そこでふと、両氏がさっきまで座っていた席の灰皿が目にとまった。あと一歩間違ったら、それをとっさにポケットにしまい込むところだった。今思い返すとそれこそ『どーかしてた』としか言いようがないが、あのときほど、「縦笛を盗む男子」に共感したことはない。舞い上がりすぎて「もう死んでもいい…」と思ったが、死んでもいいくらいならちょっと頑張ろう!と明日からの気合いをもらい、気味の悪いうすら笑いを浮かべながら帰路についたのであった。

今回お話を頂いた池田編集長、ありがとうございました!
こんなにいい思いをして、私これからチケット代請求されませんか?!

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筆者プロフィール

Saïca(サイカ)

宮城県仙台市生まれ、幼少期を南仏で過す。帰国後、地元仙台の中学・高校に進学するも、半年足らずで中退。フリーター的な生活をしていたが、18歳の夏、とある雑誌でかねてからファンであったリリー・フランキー氏のインタビューを目にし、どういうわけかそれを自己流に都合良く解釈したのがきっかけで、「そうだ、東京へ行こう、大学へ行こう!」と親も引くほどの勢いで受験勉強を開始し、明治学院大学文学部芸術学科に入学。悶々とした十代を取り戻すかのように文科系な学生生活を謳歌していたが、社会に何の貢献もできないような勉強に夢中になっている内に、気がついたら四年間が終わっていた。その後、イラストと描きながらも、ひょんなことからキャバ嬢になってみたり、アートディレクターのアシスタントになってみたりと好奇心に身をまかせながら流れていたら、今回ひょんなことからイラストレーターデビューすることに。
これからも好奇心のおもむくままに、なんでもやってみるつもり。

HP近日公開予定です! http://saicololo.com/