『第14回文化庁メディア芸術祭』開催中!

(2011.02.07)

『第14回文化庁メディア芸術祭』が国立新美術館にて開催中です。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に応募の2,645 作品から選ばれた受賞作品と審査委員会推薦作品約170点が展示されており、実際の作品を体験できます。

今年は展示会場を東京ミッドタウン ガレリア地下1F アトリウムにも設けるほか、USTREAM で全プログラムを放映するなど全国どこからで もメディア芸術祭を体験できます。

エンターテインメント部門 審査委員会推薦作品 犬飼博士作『eスポーツグラウンド』。ゲーム画面にプレイヤー自身が入り込み、全身を使ってプレイする。

主催のCGアーツ協会 阿部さんによると今年のメディア芸術祭の応募作品の傾向は

アート部門 存在感強く表現方法が成熟した作品
マンガ部門 ストーリー重視の歴史もの
エンタメ部門 ゲーム部門での受賞はないがSNSを使ったもの、iPhone、iPadのアプリが中心
アニメーション部門 メディア芸術祭上初めてテレビ番組のアニメーション作品が受賞

といった傾向があったとのこと。

アート部門優秀賞のロードムービー『NIGHT LESS』と作者の田村祐一郎。GoogleMapのストリートビューには夜がないから「ナイトレス」。
アート部門大賞のインスタレーション『Cycloïd-E』のミニチュア。直径10mの実物は東京ミッドタウンの会場に。5本の筒が回転しながら音を出す。
『Cycloïd-E』の作者Michel DÉCOSTERDとAndré DÉCOSTERD (Cod.Act)、スイス出身のふたり。音と動きの相互作用を題材に作品を作る。
審査委員会推薦作品『sound / tracks』。Peter KNEES / Tim PHOLE / Gerhard WIDMER作。車窓からの映像を楽曲に変換する。
猪子寿之『百年海図巻』。絵巻物のごとく地球温暖化による海面上昇を描く。日本画独特の空間表現がデジタルに表現される。審査委員会推薦作品。
アート部門奨励賞受賞、Peter TILG『Sccubus』。帯状のスチール板が電磁気制御でゆらゆらと動く。スチール板に反射した光が壁に映る様子もきれい。
新田次郎の山岳小説が原作、マンガ部門優秀賞受賞『孤高の人』。描画表現力が高く評価されている作者の坂本眞一。『週間ヤングジャンプ』で連載中。
エンターテイメント部門大賞『IS Parade』の画面と作者の林智彦ら。Twitterのユーザー名を入力するとフォロワーがパレードする。
アート部門審査員会推薦作品Chiristiona GRAUPNERの『Mind Box』。スロットマシンの絵の部分が人間のおじさんのムービーになっている。
エンターテイメント部門審査委員会推薦作品、深澤研『HourFace』。老化や若返りを3Dでバーチャル体験できるiPhoneアプリ。
内田伸哉『iPad Magic』。その名の通りiPadを使った手品。元手品師でコピーライターの作者がiPad発売に合わせてYOU TUBEにアップ。
間瀬実郎 / 長江努『i3DG』エンターテイメント部門審査委員会推薦作品。IPhoneやiPod Touchに装着して3D映像が楽しめるインスタレーション。

実際に会場を見回してみますと、映像のデジタルデータをサウンドデータに変換、映像と音を同時に展示したアート作品『sound / tracks』(Peter KNEES / Tim PHOLE / Gerhard WIDMER作)や、GoogleMapのストリートビューで提供されている映像をつなぎ併せて映像作品にした『NIGHT LESS』(田村 友一郎作)など、日々大量に生産されるデジタルデータを編集していかに面白いものを作り上げるか、というアイディア重視、知的好奇心を刺激する作品が多いことがメディア芸術祭ならではである、
と観察しました。

『第14回文化庁メディア芸術祭』
会期 :2011年2月2日(水)~2月13日(日)
※8日(火)休館 10:00 ~ 18:00 金曜は 20:00 (入館は閉館の 30 分前)
会場:国立新美術館(東京・六本木) ※サテライト会場:東京ミッドタウン
観覧料 : 無料
主催 :文化庁メディア芸術祭実行委員会 (文化庁・国立新美術館・CG-ARTS 協会)
お問合せTel. CG-ARTS 協会内「文化庁メディア芸術祭事務局」
        フリーダイヤル 0120-454-536
http://plaza.bunka.go.jp/