天才漫画家の実録伝記『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』(長谷邦夫 著、漫画)と、赤塚さんの思い出。
(2008.08.11)赤塚不二夫さんと初めて会ったのは、1979年。香港映画 『Mr.Boo! インベーダー大作戦』公開に際し、監督・主演 のマイケル・ホイが来日した時のこと。当時、『平凡パンチ』(今は廃刊になってしまった伝説の男性誌!)の編集者だった私は、マイケル・ホイと赤塚さんの対談を企画。麹町のしゃぶしゃぶ屋で、肉を食らい、酒をあおりながらギャグを応酬しあう、抱腹絶倒対談を実現した。
他にも平凡パンチでは、『タモリ・赤塚のバラエティー狂室』『白熱対決! 新お座敷感覚遊蕩術 対決赤塚不二夫軍団vs村松友視軍団』『ギャグ王赤塚不二夫が放つ、警世世直し論』なんていう企画もやったし、マンガの連載などでもお世話になった。 たぶん、赤塚さんと平凡パンチは、反・良識、反・公序良俗という点で、相性がよかったのだと思う。
その赤塚さんの健康状態が危機的だというニュースに接することが数年前から多くなった。アルコール依存症、食道がん、急性硬膜下血腫、脳内出血……その度に、私は心を痛めた。病いと闘うこの不世出の天才マンガ 家の一代記を、もっと多くの人たちに知ってもらいたい。豪快に時代を駆け抜けた赤塚さんの伝記を一冊の本にまとめたい。そうだ、作者は30年近く前にマイケル・ホイとの対談にも同席していた、赤塚さんのマネジャー兼アイデア・ブレーンだった長谷邦夫さん (作家・マンガ家)にお願いしよう! 赤塚さんが亡くなられたいま、若い世代に赤塚作品に接してもらいたいし、長谷さんのこの本で、赤塚さんの生きてきた道筋を知ってもらいとも思う。命を削ってバカとナンセンスに賭けた男の破天荒な人生のなかに、「心優しき含羞」を見て取ることができるだろう。 『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』長谷邦夫 著『http://magazineworld.jp/search/book_search.php?code=isbn&word=978-4-8387-1640-1 |
『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』長谷邦夫 著 1,365円(マガジンハウス) 赤塚氏の身近にいた長谷さんならではの描写もいっぱい。70年代の赤塚さんの服装が細かく描かれたページ。 顔が同じ6つ子の『おそ松くん』誕生秘話も。 |
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