女性のための、元気になれる俳句24 選・如月美樹 くらがりへ人の消えゆく冬隣 角川源義

(2008.11.03)
 

 暦の上ではもうすぐ冬。冬が近くなってくるとなんだか追われているような気になる。毎日少しずつ早くなる日暮れ、寒くなる朝。いまはどこに行っても冷暖房完備、ファッションもシーズンレスで昔のような“冬支度”というものは必要ないけれど、やっぱりぴりっとした緊張感がある時期だ。
 そろそろ到来する冬をどこに感じるかは人それぞれだけれど、掲句は足早に去っていく人をとらえた。絵画のような、写真のような句だ。ふと漂ってくるさびしさの理由は何だろう。季節のせいだけなのだろうか。