女性のための、元気になれる俳句87 選・如月美樹 あじさいやワインを冷す庭の卓 清水凡亭

(2010.06.22)
 

日本各地が梅雨入りした。それを知っているかのように、道ばたの紫陽花も咲き始め、色づいてきた。白、青、紫…さまざまに色を変えて咲くさまは美しい。雨は確かに生活の場面では憂鬱だが、植物も、動物も、雨が降らないと育たない。私達も大きな自然の中の一部なのだ。
掲句、梅雨の晴間なので庭で食事でもしよう、という情景なのだろうか。作者は、天才編集者として知られたマガジンハウスの創業者、故・清水達夫氏。洒落者だったことでも知られる人だ。まだまだワインブームが起こるずっと前の句。紫陽花に光る昨夜の雨のしずくがキラキラ光って美しい。掲句初出『ネクタイ』(1993)