女性のための、元気になれる俳句39 選・如月美樹 如月から弥生へぬける猫の足 柿本多映

(2009.02.23)
 

 如月は旧暦の二月、弥生は三月のこと。俳句的な季感では仲春から晩春ということになろうか。
 寒い季節にはまるくなっていた猫が、足音もなく歩いていく。そのさまを、季節が移り変わっていくことに重ねた。家の中で、もっとも気持ちのいい場所を見つけるといわれる彼らのことだもの、きっと私達より一足先に春を見つけてしまうのだろう。
 さて、オフィスに閉じこもってばかりいないで、パソコンを終了させて、彼らの後について、春を探しに出かけるとしますか。掲句初出『花石』(1995)。