女性のための、元気になれる俳句59 選・如月美樹 秋風や射的屋で撃つキューピッド 大木あまり

(2009.09.14)
 

秋祭の景か。射的屋に足を止めたのは、子どもではなく大人の女性。彼女がキューピッドを撃つというのだ。天使の矢に射られることで恋が始まる、という俗信の逆をいくわけだ。的は自分自身か、思い人か。さあ、果たして、彼女は見事キューピッドを射止めることができるのだろうか? それともこれは、終わった恋へのささやかな意趣返しなのかもしれないけれど。掲句初出『雲の塔』(1993)。