深瀬鋭一郎のあーとdeロハス世界初?盆踊りグループ展!『TOKYO MiLKY WAY 2015』

(2015.05.30)
『トウキョウミルキーウェイ実行委員会』では、企画運営スタッフを募集中。
『トウキョウミルキーウェイ実行委員会』では、企画運営スタッフを募集中。
『100万人のキャンドルナイト』の芸術部門
『トウキョウミルキーウェイ』再開!

2012年まで開催されていた国民的ムーブメント『100万人のキャンドルナイト』の芸術部門『TOKYO MiLKY WAY 2015』(トウキョウミルキーウェイ)については、2009年5月に、このコラムでも一度ご紹介しましたが、このアート・フェスティバルが、多くの方々からの要望を受けて、なんと来る6月、本格的に再開することとなりましたので、今回のコラムでご紹介します。今年開催される『TOKYO MiLKY WAY 2015』のテーマは「盆踊りでキャンドルナイト!」。その目玉イベントとして、(多分)世界初の盆踊りをテーマにした現代アートの企画展「Bon Dance Voyage」を開催します!

『Bon Dance Voyage
─ 国東市安岐町~笠岡諸島白石島~西宮船坂を巡る旅』

会期 2015年6月8日(月)~13日(土)
時間 12:00-19:00
会場 K392(東京都中央区京橋3-9-2プラザ京橋ビル1F)
Tel 03-5159-0809
出展作家 山中カメラ 三友周太 Torsten Bruch
キュレーション 深瀬鋭一郎(深瀬記念視覚芸術保存基金)

Torsten Bruch『Coming Funasaka Bonodori』@Bon Dance Voyage展
Torsten Bruch『Coming Funasaka Bonodori』@Bon Dance Voyage展

イベントも盛りだくさんです。2015年6月10日(水)18~19時に開催される「村田訓吉トークショー」では、アイドル「制服向上委員会」のメンバーがゲストでアカペラで歌うほか、スウェーデンのノーベル賞作家ハリー・マーティンソンが文学賞(1974年)を受賞するきっかけとなった長編叙事詩『アニアーラ』(1956年)の朗読劇(村田訓吉が出演)の主催者 毛利まこもゲスト出演し、そのさわりを披露してくれる予定です。6月13日(土)16~17時には、出展作家たちによる作品説明・報告会「なぜ、盆踊りを現代美術として制作するのか?」が開催されます。会場は、いずれも展覧会場「K392」です。おもしろそうですね!(注)やむを得ない理由から予定が変更になる場合もありますのでご了承ください。

画像2 山中カメラ『神山スダチ音頭1』(2009)@Bon Dance Voyage展
山中カメラ『神山スダチ音頭1』(2009)@Bon Dance Voyage展
三友周太『Himoningen 白石おどり踊る』@Bon Dance Voyage展
三友周太『Himoningen 白石おどり踊る』@Bon Dance Voyage展

また6月19日(金)18時30分からは、2007年の開始以来、毎年人気を博してきた『銀座☆夜のギャラリー巡り』ツアーも再開されます。銀座に点在するギャラリーを、ツアー・コンダクターと一緒にめぐります。貴方もキャンドルの明かりが灯るギャラリーで素敵な夜を過ごしませんか?

今年のコースは以下の通り。ツアー集合場所のうちAコース(八重洲ATA)では、東京駅八重洲口を1時間おきに撮影した3年間の移り変わりをまとめたビデオ作品「(仮題)東京駅八重洲口の3年間」がループ上映されます。全ツアーの終了場所 K392では、グランドパーティが開催され、軽食が提供され、パフォーマンス、コンテンポラリー・ダンスなどの出し物も上演されます。参加費は500円、要予約、下記「こくちーず(告知’s)」にてお申し込み下さい。集合場所等の詳細は、お申し込み後の返信メールにてご案内差し上げます。

暮れなずむ銀座の街を『銀座☆夜のギャラリーめぐり』ツアーが歩き始めます。
暮れなずむ銀座の街を『銀座☆夜のギャラリーめぐり』ツアーが歩き出すところ。
『銀座☆夜のギャラリーめぐり』参加ギャラリーマップ(これらのほか八重洲ATAが参加)
『銀座☆夜のギャラリーめぐり』参加ギャラリーマップ(これらのほか八重洲『ATA』が参加)

●申し込み先 http://kokucheese.com/event/index/288928/
注:定員に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。作品保護のためキャンドルを灯さないギャラリーも一部ございますので予めご了承ください。ギャラリー備え付けのキャンドルで作品鑑賞となります。

『銀座☆夜のギャラリーめぐり』ツアーではこんな感じで、キャンドルの灯りでアート作品を鑑賞します。
『銀座☆夜のギャラリーめぐり』ツアーではこんな感じで、キャンドルの灯りでアート作品を鑑賞します。
 
 
スローライフ運動の一つ
『100万人のキャンドルナイト』

『100万人のキャンドルナイト』では、これらの展覧会・イベントが行われるフェスティバル『TOKYO MiLKY WAY 2015』とは何か、その開催の背景となった『100万人のキャンドルナイト』とは何か、いうことからご説明しましょう。「キャンドルナイト」とは照明を消し、キャンドル(蝋燭)を灯して過ごそうという、スローライフ運動の一つで、「100万人のキャンドルナイト」とは、電力消費を抑制してLOHASな生活スタイルを訴える、世界最大級のイベントです。その始まりは、アメリカ・ブッシュ政権のエネルギー政策に反対して、2001年にカナダから発信され、オーストラリア経由で日本にも届いた、夏至の夜に電気を使わずに過ごす、「自主停電」を提案するチェーンメールにありました。

『(仮題)東京都八重洲口の3年間』@ツアーAコース集合場所(ATA)
『銀座☆夜のギャラリーめぐり2015』ツアーAコース集合場所『ATA』でループ上映予定の『東京都八重洲口の3年間』より。

2001年4月に開店したばかりの国分寺『Cafe Slow(カフェスロー)』では、この呼びかけに応じて、「地球の自転とともに世界各地で生まれる暗闇のウェーブ」づくりに「暗闇カフェ」として参加しました。続いて2002年6月には 「ナマケモノ倶楽部」が日本で初めて「自主停電」を呼びかけました。これは「反対を100万回叫ぶより、1人1人が生活のワンシーンで電気をつけずに過ごす時間を体感していくことが、いつか安全で平和な暮らしへとつながる」と考え、みんなで自主停電を行うものです。そして、「ただ、2時間電気を消すために集まってもいいんじゃない?」という発想から、ロウソクの灯りで過ごすムーブメント『100万人のキャンドルナイト』のプロジェクトが始まり、2003年6月22日の夏至の日の20時から22時に、第1回が開催されました。

地球温暖化防止のための「Co2削減/ライトダウンキャンペーン」として環境省も相乗り参加して、東京タワーなどの施設において消灯が行われました。文化人類学者 辻信一らが呼びかけ人代表をつとめ、坂本龍一、オノヨーコなどの音楽家も呼びかけ人となりました。以降、「でんきを消して、スローな夜を。」をキャッチコピーとして、夏至と冬至を挟む期間の夜(日本時間20:00~22:00)に開催され、日本各地でさまざまなイベントが行われました。2004年には運動が評価され、グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)を受賞。参加者は664万人(2005年夏至)、ライトダウン施設は39,845カ所(2006年夏至)、イベント開催場所は473カ所(2006年夏至)まで広がりました。キャンドルナイトは世界規模で展開され、公式フォトコンテストを行うほどの盛況を見せました。

芸術やキャンドルで自然の光を取り戻す
豊かなライフスタイルを。

『TOKYO MiLKY WAY』は、深瀬鋭一郎が辻信一と雑誌『自然と人間』2006年7月号掲載の鼎談「芸術は地球を救う、か!?」で語り合ったことを契機に、2006年夏至の銀座K’s Galleryでの開催から始まった、LOHAS(ロハス)なアート・フェスティバルです。都会でも美しい自然の光を取り戻すような、豊かなライフスタイルを、芸術やキャンドルナイトを通じて提案するもので、「深夜の無駄なネオンを消せば、東京都心でも銀河(ミルキーウェイ)が見える筈だ」というところから、その名がつきました。キャンドルの明かりの中で、展示やパーティ、コンサート、ダンス、パフォーマンスを楽しみ、「夜のギャラリーめぐり」ツアーを行い、キャンドルの灯りで作品を鑑賞します。スローでアートフルな時間を過ごすフェスティバルとして、アートファンに留まらない幅広い人気を集め、多くのマスメディアにも採り上げられ、2009年夏至には、関東全域の50芸術施設にて開催されました。
 
もっとも、2012年の開催10周年をもって、かつての国民的運動『100万人のキャンドルナイト』は、全国的・組織的な声掛けを終了し、各施設の自主運動に切り替えられたため、『TOKYO MiLKY WAY』も、その方針に従い、それまでの参加ギャラリーが自主開催する形に切り替えました。ただその後も、環境省、大阪、名古屋などが引き続き組織的に開催しており、美術関係者の間で、「エネルギー問題が未解決の中でキャンドルの火を絶やすべきではない」との意見が強かったこともあって、元の「トウキョウミルキーウェイ実行委員会」メンバーのうち有志が結集し、実行委員会を再度立ち上げ、2014年夏至から試験的に開催を再開、2015年から本格的な開催を再開したところです。

万城目純+ホワイト・ダイス『Prayer』@グランドパーティ。
万城目純+ホワイト・ダイス『Prayer』@2015グランドパーティ。

また、「トウキョウミルキーウェイ実行委員会」では、企画運営スタッフを募集中です。参加ルールは以下の通り単純です。参加希望のご連絡はtokyomilkyway_staff@googlegroups.comまでメールを頂きたくお願いします。

<TOKYO MiLKY WAY」の決め事>
◎夏至を挟む6月中下旬(七夕も可)に最低1晩以上キャンドルナイトを開催
◎できるだけ夏至の日の20~22時に電気を消してスローな夜を過ごす

<実行委員の応募条件>
◎毎年2~7月に、月1~2回、平日19:30~21:30に銀座で開催される実行委員会ミーティングに参加
◎パソコンが使え、電子メールと携帯電話で連絡を取ることが可能
◎交通費やコピー代などの諸経費は自己負担

芸術・文化が社会と人間に与えるポジティブな影響力を活かし、ライフスタイルを変革して行けば、化石エネルギーに依存するこの過剰消費社会を、循環的で持続可能な社会に変えていける筈です。アートとキャンドルで過ごす「自主計画停電ナイト」で、あなたも豊かなライフスタイルを共有しませんか。