女性のための、元気になれる俳句36 選・如月美樹 どこからが春どこからか春立ちぬ 津根元 潮

(2009.02.02)
 

 2月4日は立春、暦の上では春のはじまりだ。とはいえ、実際は、日本列島がもっとも冷えている頃である。
 思うに、やはり私達は旧暦で生活したほうがいいのではないだろうか。そうすれば、七夕にだって雨が降らず星が見えるだろうし、お正月だって“新春”という気分がぴったり。季節感が無理なく生活になじむ。
 でも不思議なもので、このところの寒さでも真冬という感じがしないのは、なにも俳人のように「季語だ、春だ、旧暦だ」といっている人間ばかりではないらしい。最近、街で聞いた会話——「寒い寒いっていっても、いまは真冬って感じじゃないじゃん、なんかさあ、寒さの質が違うっていうか」。
 そうだ、理屈ではなく、もっとも正しいのは体の感覚なのだった。春はどこからか、しかし確実にやってきつつあるってこと。