リブロ・トリニティ – 19 - 『息子 マイケル・ジャクソンへ 〜天国への遺言状〜』ジョセフ.ウォルター・ジャクソン 著

(2010.08.27)
~著者+編集者+書店スタッフ3人が一体となり、力を合わせて完成した本を紹介するコーナーが「リブロ・トリニティ」です。~

ジョセフ.ウォルター・ジャクソン 著

『息子 マイケル・ジャクソンへ 〜天国への遺言状〜』

『息子 マイケル・ジャクソンへ 〜天国への遺言状〜』ジョセフ.ウォルター・ジャクソン 著 1,890円(税込) 講談社


■著者 ジョセフ.ウォルター・ジャクソン インタビュアーより

室戸 真魚(むろと・まお)

メディア・プロデューサー
1954年、東京生まれ。大手出版社の編集者を経て、独立。その後、アンカー・ライター、メディア・プロデューサーとしてビジネス書、医学書、スピリチュアル、アーティスト対談など幅広い分野での出版、テレビ、イベントなどを手がけている。現在は、日中間の文化交流事業に専心している。

*写真はジョセフ.ウォルター・ジャクソン氏のものです。

父の言葉には、マイケルが歌い続けた「真実の愛」が溢れていた。

私が、初めて手にしたジョセフ氏の『自叙伝』とも言えるその原稿を読み終わったときの、とても不思議で何か食い足りない印象と感触は、後に単行本を制作していく段階になって、とても難解な推理小説を読み解いていくための一つの「暗号解読書」のようなものなのだと気づいていきました……。

ジョセフ氏が私たちに伝えようとする『二つの旋律』:その自叙伝と世界初のインタビューの中で語られた言葉とその暗喩:には、稀代の天才『マイケル・ジャクソンと父』の確かな息づかいと未完成のラヴ・ソングが密やかに、そして巧妙に奏でられていました。

ジョセフ氏と過ごした5日間は、まるで「サスペンス映画」の中に迷い込んだような錯覚を覚える日々でした。彼の一挙手一投足は齢80歳を過ぎた老人のものではなく、ときにはハンターのような鋭い眼光に釘付けとなり、また、あるときは哲学者を彷彿させるその風貌に、彼の「いま」を垣間みる……。

『生命』を安息の時間の中で紡ぐことを許されない一人の男、父、夫は、また彼自身もまぎれもなく一人のアーティストでもある。マイケルの「正義」を晴らすための裁判に毅然と立ち向かう一方で、今も音楽とショービジネスへ絶え間なく情熱を傾けている。その夢は今、中国やロシアなど過去にコンサート・ツアーすることが叶わなかった国々を廻り、そこに住む様々な人たちと理解を深めることだという。

この本は、読み手によっていろいろな読み方、見方ができる万華鏡のような本だと思う。世界でいま何が起こっているのか、また、どこへ向かおうとしているのか……、マイケルが私たちに遺したメッセージと一緒にぜひ読んで頂けたら、作り手としての役目を果たせるように思えます。

いつか『マイケルの謎の死』が、歴史に残る大事件であったことが明かされる日が来るとき、私たちは、きっとジョセフ氏に深い尊敬と理解を示すことになるのではないかと信じています。

 

ジョセフ・ジャクソン氏。彼がいま住んでいるラスベガス市郊外の自宅に私たちを案内し、そこでインタビューは始まった。
ロサンゼルス市の高級住宅地・エンシノのマイケルの実家。その「プレイルーム」には、マイケルの想い出が詰まっていた。
マイケルは「ネバーランド」に移り住むまで、エンシノで両親と共に暮らしていた。ここから数々の名曲が生まれていった。
『マイケルの部屋』には、壁一面にマイケルが始めた「家族の想い出」写真が所狭しと張られている。世界初の写真公開だ。
『ジャクソン5』時代に撮影されたマイケルが写った宣伝用ポートレート。
マイケルは宣伝用の写真撮影でもその才能を発揮し、大人を驚かせた。
瞬く間にアイドルグループとなった彼ら。記録を次々と塗り替えた。

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■書店スタッフより

丸善ラゾーナ川崎店渡辺 陽子(わたなべ・あきこ)

丸善ラゾーナ川崎店で芸術書を担当しています。
このお店で働き始めて一年が経ちますが、日々新しいことに出会い、毎日楽しく仕事をしています。
可愛いものと音楽が大好きです。
今は1歳2ヶ月になる姪っ子に夢中な日々です。

家族を敬うことを忘れない父親の、本物の愛情の物語。

この本は、マイケルの実の父親であるジョーがマイケルの死やジャクソンファミリーのルーツについて赤裸々に語っており、他の多数あるマイケル本とは一線を画しています。
正直に言うと、私自身特別マイケル・ジャクソンの大ファンというほどではなかったので、彼の父親がどういった人物なのかということも知りませんでした。
実際読んでみて、ジョーの言葉は決して作られたものではなく、マイケルを始めとするファミリーへの愛情は本物だと感じられました。
ジョーは時に厳しくもありますが、どんなときでも家族を敬うことを忘れません。
いろいろ誤解されているようですが、この本を読めばそれも払拭されるのではないでしょうか。
自分の息子が不意に亡くなったこと、阻止できなかったことを本当に悔やんでいるのがひしひしと伝わってきます。
また、ジャクソンファミリーのルーツについての記述は、アメリカ黒人家庭の歴史としても非常に興味深く読むことができました。

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■編集者より

講談社 アミューズメント出版部北村 祐子(きたむら・ゆうこ)

1974年生まれ、愛知県出身。情報誌『TOKYO★1週間』と単行本の編集を手がける。グルメ、旅行、マネー、音楽、ファッション、エロまで、たずさわった企画は多岐にわたる。

本を作り終えたころには、ジョセフ氏の大ファンに。

「マイケル・ジャクソンのお父さんの手記を出しませんか」
編集部に話が持ち込まれたのは、今年(2010年)初頭のこと。
あれ、マイケルとお父さんって、仲悪いんじゃなかったっけ? ――まず最初に思ったのは、そんな疑念でした。疑念を払拭するため、まわりの人々にジョセフ氏のイメージを聞いてまわると、「暴力を振るう」「金の亡者」「マイケルの子供時代を奪った」……出てくるのは悪い噂ばかり。疑念を払拭するどころか、ますます不仲説の確信を深めただけでした。あげく、「マイケルファンが、お父さんの本を買うわけがない」とまで言われ、本当に出版しても大丈夫なものかと、絶望的にマイナスな状況からスタートしたのでした。

それでも今年5月、ラスベガスに住むジョセフ氏にインタビューを敢行。毎日、取材チームからインタビューテープを起こしただけの原稿がメールで送られてきました。それは、ジョセフ氏の息遣いが聞こえてきそうなほど生々しいインタビューで、そのなかのジョセフ氏は、あたたかくて、懐が深くて、クレバーで、ユーモアのある、古き良き時代のビッグファーザーそのもの。連日送られてくるインタビュー原稿を読んでいるうちに、たちまち私はジョセフ氏の大ファンになっていました。

この本のなかには、マイケルの死の真実があります。
いま世間で広く認識されている説とは異なるもので、驚愕の新説というべきものです。それは、ジョセフ氏が実の父親だからこそ知り得たものであり、父と息子のあいだに信頼があったからこそ語れるものです。
どうか、世間の噂に惑わされることなく、この本を読んでみてください。そうすればきっと、本当のことが見えてくると思うのです。

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