女性のための、元気になれる俳句27 選・如月美樹 絨毯の美女とばらの絵ひるまず踏む 柴田白葉女

(2008.11.25)
 

「絨毯」は冬の季語。昔はぜいたくなものだったに違いない。
 美女と薔薇の絵が描かれた絨毯は、きっと訪れたお屋敷に敷かれたものだったろう。鮮やかに浮かび上がった美女と薔薇。その美しさに気圧されて、他の誰かは脇によけて通ったかもしれない。しかし、作者はずかずかと踏んでそこを通り過ぎるのだという。
 この瞬間が句になるのは、本当はそこを通る前に怖じ気づいて、一瞬、ひるんでしまったからだ。しかし、その後に大胆な行動ができるのが、女性ならではの感覚。虚勢だろうがカラ元気だろうが、胸を張った女は美しい。掲句初出不明、作者生年1906、没年1984。