女性のための、元気になれる俳句6 選・如月美樹 〜百合白くいちにち言葉失せにけり 金田咲子〜

(2008.07.01)
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 どうしても言葉が信じられないという思いにとらわれるときがある。何も伝えることができない“言葉”を媒介とするしか、人はわかりあえないのだろうか?
 たとえば白い百合。甘く強い香り。無言でこの花を差し出したほうが、どれだけ豊かなものを伝えられるだろう、と思うのだ。でも、人と人との間は、言葉で表現しなければならないことばかりだ。ならば信じてみるしかない。
 私達は、ただひとことから始まるものがたくさんあるということを知っている。勇気を持って、それを口にすることが必要だ。愛するもののために、なくしたくないもののために、これから始まるもののために。