ランキングで現代を読み解く
「ダカーポ・エディタス」登場!

(2008.12.15)

昨年12月に休刊した『ダカーポ』は、その後も、復刊はないのか、代わりの雑誌はいつ出るのかと、多くの読者の方から問い合わせをいただきました。最後の編集長を務めた私も、なんとか『ダカーポ』のジャーナリズムの精神を引き継ぐ雑誌を立ち上げたいと思い、取り組んできました。そして1年、ようやく形になったのが、『ダカーポ・エディタス』です。サイズはA5からA4変型に、モノクロからカラーへ、グラフィカルなワンテーマ・マガジンとなりました。タイトルのエディタスは、ラテン語で「編集」を意味する言葉、『ダカーポ』特別編集の意味を込めて命名しました。

さて、『ダカーポ』の年末特集と言えば、「人、モノ・ブーム・事件の総まとめ」。「ダカーポ・エディタス」は、その企画を、各界の専門家による分析とランキングという新しい手法でまとめました。題して「トレンド・ランキング2008→2009」。2008年を振り返り、2009年を予測する大特集です。100年に一度と言われる激動の2008年、リーマンショック以降、世界の様相は一変しています。
初の黒人大統領であるバラク・オバマの登場は何を意味するのか。金融危機はこれからどんな展開を見せるのか。政治、経済はもちろん、アート、ファッション、建築の分野まで、細かな分析と、新しい時代を読むヒントが満載です。

では、具体的な内容についてご紹介しましょう。「ダカーポ・エディタス」の特徴のひとつは、数字によるデータ分析。2008年、話題をさらった、オバマ新大統領、リーマンショックと金融危機、iPhone、レーザーレーサー、崖の上のポニョの5つのテーマについて特徴的な数字をあげて分析しています。ちなみに、オバマのスーツは1300ドル、この金融危機での世界の損失は550兆円、iPhoneの販売台数は3ヶ月で690万台、レーザーレーサーが塗り替えた世界記録は71、ポニョの観客動員は1250万人です。

「ダカーポ・エディタス」ふたつめの特徴は著名なアナリストによる大胆で詳細な分析。経済分野担当の森永卓郎さんは、この金融危機をヘッジファンドが格付け会社とグルになってしかけた詐欺だと語り、国際情勢担当の佐藤優さんは、オバマ大統領の登場はファシズムの萌芽だと、過激な持論を展開しています。100年にいちどの激動の時代をどう理解すればいいのか、その答えがここにあのります。

そして、三つめの特徴は、業界別のプロたちによる専門的なランキングです。AV機器、クルマ、ITから流通、ファッション、さらにはモダンアート、建築業界まで、幅広く様々な業界のトレンドをカバーしています。ファッシヨン業界最大のニュースはH&Mの上陸。いまだに行列がとぎれないのは、SPA(製造小売り)の強さ故、安く、早く、それなりにカワイイのが、今の時代の成功の鍵のようです。

そして、「トレンドリーダー100人のベスト10」。いまやメガ・トレンドは存在しない。代わりに1%の人たちが生み出すマイクロ・トレンドが世の中を動かしていくとする学説があります。時代をリードする人たちがいま知勇目しているのは何か、これからブレイクするトレンドの小さな目を探す企画で、なんと100人が100通りのベスト10を披露します。

そんなこんなで、充実した企画満載の「ダカーポ・エディタス」ぜひ、ご一読ください。


 

編集長・高木 挨拶代わりの
「イタリアのカルトワインベスト10」

 

1 <ヨスコ・グラブナー(ワイリー名)> ブレッグ・アンフォーラ(ワイン名)
世界一香る白を作ったスロヴェニア国境の偏屈親父は、いま土に埋めた素焼きの瓶(アンフォーラ)で、原始のワイン造り
2 ジュゼッペ・クインタレッリアルゼーロ
カベルネをレチョート(陰干し)し、アマローネ方式で醸造。甘みのある驚愕の味
3 < アヴィニョネージ> ヴィン・サント
50リットルの小樽を密封、屋根裏で10年。シャトー・ディケムを超えた甘口
4  <カ・デル・ボスコ> アンナマリア・クレメンティ
5 <ロベルト・ヴォエルツィオ> バルベーラ・ダルバ・ポッツォ
6 <カウドリーナ> アスティ・スプマンテ・ラ・セルヴァティカ
7 <ジローラモ・ドリーゴ> ピコリット
8 <ブランコ> チンクエ・テッレ・シャッケトラ
9 <カピケーラ> ヴェルメンティーノ・ヴェンデミア・タルディーヴァ
10 <エミディオ・ペペ> モンテプルチアーノ・ダプルッツォ