アートニュース Fromミュージアムカフェ – 24 - メキシコと日本の交流開始400年記念『メキシコ20世紀絵画展』世田谷美術館で開催中。

(2009.08.06)

世田谷美術館で開催中の『メキシコ20世紀絵画展』はメキシコとの交流開始400年を記念して開催されている展覧会。文化交流の一環として、この展覧会も話題のひとつとなっています。展覧会のメインテーマは「近代化への道のり」。

メキシコの美術は、植民地支配や独立運動などその社会の変動と密接に結びついていました。見慣れた西洋絵画や日本画などとは全く違う作品たち。とても力強いものを感じます。現代の日本人にとってこれらの作品が魅力的に感じられるのは、メキシコという国が持つ複雑な歴史が、一枚の絵のなかに込められているからかもしれません。

フリーダ・カーロ『メダリオンをつけた自画像』1948年、個人蔵
ⒸBanco de México, “Fiduciario” en el Fideicomiso relativo a los Museos Diego Rivera y Frida Kahlo. PhotoⒸFrancisco Kochen

そして、今回の目玉は、なんといってもフリーダ・カーロ『メダリオンをつけた自画像』が日本初公開されること。過酷な人生を明るく生きたフリーダ・カーロ。この自画像、両目からは涙が零れ落ちています。苦悩と激情に満ちた自身を描き続けた彼女のファンは世界各国に多くいます。

一見明るく陽気な絵画の数々には、強いメッセージ性があります。会場には個人やメキシコの各美術館から集めた約70点が展示されています。

名古屋市美術館が所蔵するホセ・グァダルーペ・ポサダの作品群も見もの。圧巻の数で見ごたえ十分です!

お国柄なのか、展示された作品はどれも母国への愛情がとても伝わるものばかり。ぜひ世田谷美術館で、メキシコアートの魅力に浸ってみてください。

マリア・イスキエルド『マリア・アスンソロの肖像』1941年、アンドレス・ブライステン・コレクション
ⒸFundación Blaisten. Amparo Posadas Izquierdo. PhotoⒸFrancisco Kochen
ホセ・クレメンテ・オロスコ『十字架を自らの手で壊すキリスト』1943年、INBA/カリーリョ・ヒル美術館蔵
ⒸFundación José Clemente Orozco. José Clemente Orozco / SOMAAP / MEXICO / 2009 PhotoⒸJavier Hinojosa
ダビッド・アルファロ・シケイロス『クアテモックへの讃歌』1950年、INBA/メキシコ国立近代美術館蔵
ⒸDAVID ALFARO SIQUEIROS / SOMAAP / MEXICO / 2009 PhotoⒸJavier Hinojosa

『メキシコ20世紀絵画展』

期日:2009年7月4日(土)~8月30日(日)
会場:東京・世田谷美術館
料金:1200円(一般)ほか
問い合わせ:ハローダイヤル Tel.03-5777-8600

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/