女性のための、元気になれる俳句60 選・如月美樹 サフランや印度の神は恋多き 正木ゆう子

(2009.09.24)
 

サフランってどんな花だろう、と思って植物図鑑で眺めていたら、なんと近所の庭先に咲いているのを見つけてしまった。江戸時代に薬用植物として渡来した球根植物で、ろうと状の紫色の花に、おしべは黄色、めしべは赤。春に咲くクロッカスと同種なのだそう。
ところで私はインドカレーが大好き。そこで黄色いゴハン「サフランライス」が出てくる。掲句の「印度の神」は、そこからの連想かもしれない。インド国民の大半が信奉するヒンドゥー教において、人生の三目的は法、実利、そして性愛だそうだ。
ちなみに古代インドの愛の神はカーマ。性愛論書の「カーマスートラ」で有名だが、インドの神様方は恋多き方々だったのだろうか。そういう想像も楽しい。掲句初出『水晶体』(1986)。