『カーサ・ブルータス』連載『ふうせんいぬティニー』
NHK、Eテレで放送スタート
(2014.10.01)
話題のミニアニメ『ふうせんいぬティニー』
NHK、Eテレで9月26日(金)から放送スタート。
『カーサ・ブルータス』で連載中の『ふうせんいぬティニー』が、絵本に続いてアニメ化。NHK Eテレにての9月26日(金)からの放映を前に、試写会と作者の川村元気さん、佐野研二郎さん、監督の稲葉大樹さん、主人公・ティニーの声を担当する声優 小林由美子さん、そしてティニーの着ぐるみキャラクター登壇の記者会見が行われました。
ミニアニメ『ふうせんいぬティニー』は、家出した小さな子犬のティニーがふうせんを体につけた「ふうせんいぬ」となって雲の上の世界を旅するお話。雲の上には「ふうせんウサギ ラビィ」「ふうせんライオン リオン」……生まれながらに風船が体がついている「ふうせんどうぶつ」の仲間がたくさんいて、彼らと出会い成長していく姿を描いています。原作の絵本の画面そのままがアニメーションになって、毎週金曜日17:25~17:30、全26話が放送される予定です。
●『ふうせんいぬティニー』 ストーリー
記者会見には着ぐるみティニーはもちろん、みなボーダーやブルーとホワイトの配色が印象的なシャツというティニー・スタイルで登場。川村さんは「作品を映像化するなら最高のスタッフで作りたかった。監督、美術、音楽、ティニーの声を吹き替えてくださった小林さんはじめナレーションの山寺宏一さんなど声優陣も素晴らしいチームに集まっていただいて最高の作品ができたと思っています。」と言うと、佐野さんは「出来上がりを見て笑顔になってしまった。自分の娘にも誇らしく見せることができたと思っています。デザイナーとして幸せ。」と語りました。キャラクターもストーリーもインパクトがあるので子供の記憶に残る作品になるのではないかという稲葉監督、かわいいキャラクター、テーマ曲に釘付けになってしまっという小林さんと、試写を見て一同感動もひとしおの様子。
「ふうせん」からの視点でものごとを見れば、なんでも楽しくなる!
絵本の世界をそのままアニメに。
「作品のメッセージは?」という質問に川村さんは「僕は以前からものごとを人とはちょっと違う目線で見るということをやって来ました。前から見ていたものを横から見る、悲しい状況も風船の目線、上から見ると楽しく見えるのではないか。大人でも子供でも視点を変えて見ることで楽しく過ごせるのではということを伝えたかった。」との答え。
佐野さんは「僕の仕事はデザインを通して世の中を少しでもハッピーにすることです。今回も見た人がほっこり、ほがらかになるものが作りたかった。絵本の世界をそのまま、明解な色彩と形で構成できたら印象的で気持ちのよいものができるのではないかと考えました。飛行機の窓を開けるときれいな空が見えて、わぁ、すごいな! という感じ。そのような、気持ちいい、爽快という感覚を味わってほしい。」と言い、特に注目してほしいところは? という質問には「アニメ化にあたって絵を派手にする、画面にノイズを入れて味付けしたくなるところをあえて抑制してフラットにしたところが、難しくもあり、成功したところでもある」と語りました。
また川村さんはストーリーの原案については「風船に吊るされ浮いている動物というのは、僕が子供の頃、風邪をひくと繰り返し見ていた夢が元になっています。風船に吊るされて雲の上まで行くとそこにはキリンや象が浮いている。実写にするとコワイ(笑)ですが、絵にするとカワイイ。僕は絵が悲しいほど下手なので佐野さんに描いてもらいました」と言い、劇中に登場する物忘れの激しいウサギのラビィのキャラクターは、自分が子供の頃の体験が元になっていることなど興味深い製作話にも触れました。
「もしティニーのキャラクター・グッズを作るとしたら何を作りたいか?」という質問には、「何がいいか……、佐野さんに頼めばなんでも作ってくるよね?」と川村さん。対して佐野さんは「僕は最近ティニーのiPhone5sのケースを作ったのですが、発表になったばかりの iPhone 6のカバーも作りたいなぁ」とタイムリーな返答。会場はなごやかな笑い包まれました。
主人公のティニーが新しい出会いを体験するたびに口にする「なんだかふしぎ」というセリフや、忘れん坊の「ふうせんうさぎラビィ」がなかなかティニーを覚えられずに「ところで君の名前は?」と尋ねる繰り返しギャグ。山寺宏一さんによる詩的なナレーション、テーマ曲など一度見たら忘れられない楽しさいっぱいのミニアニメ『ふうせんいぬティニー』。ぜひチェックしてみてください。
会見の模様の動画はこちら。
NHK『コレ見てムービー』