アートニュース Fromミュージアムカフェ – 10 - 半世紀ぶりに東京へ、この春は上野で阿修羅と会いましょう。東京国立博物館『国宝 阿修羅展』

(2009.04.02)

現代でいうなれば、間違いなく「イケメン」仏像 ── 仏像の中でもずば抜けた人気を誇る阿修羅像がほぼ半世紀ぶりに東京にやってきました!

日本で最も有名な仏像の一つであり、古典美としても名高い阿修羅。その生い立ちをたどると実はインド神話の神像なので、仏像界の中では主役級ではない立場にあたりますが、独特な細身の体と憂いのある表情で見る人を魅了してきました。

360℃阿修羅が見渡せる展示方法による、国宝 八部衆像 阿修羅立像 
奈良・興福寺蔵

今展では、そんな阿修羅が露出展示という360度ぐるっと見渡せる方法で展示されています。3つの表情をそれぞれ真正面から堪能することも可能。通常は壁面のガラスケースの中で展示されている仏像たちと同じ空間、同じ空気を共有できてしまうのです。

4月19日までは阿修羅とともに一具像として造られた八部衆像と十大弟子像、興福寺に遺存する脱活乾漆像14体すべてが一堂に介します。そして最新の高精細デジタル映像技術を駆使したバーチャルリアリティ映像も目玉のひとつ。阿修羅像を完全にデジタル化して、より深く理解してもらおうという「もうひとつの阿修羅」も観ることができます。

さらに今展では様々なプロモーションが展開されています。そのなかでもユニークなのが「阿修羅ファン倶楽部」。みうらじゅんを会長に、ミスター阿修羅・高見沢俊彦など多彩な顔ぶれで「阿修羅展」を盛り上げています。東京展の会員募集は終わってしまいましたが、九州に巡回する際には前売りチケットを購入すると会員になることができますよ。

上野の桜も満開に近づいてきた今日この頃。お花と阿修羅見学で春の上野は盛況必至です!

 

『興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展』
期日:2009年3月31日(火)~6月7日(日)
会場:東京・東京国立博物館平成館
料金:1500円(一般)ほか
問い合わせ:ハローダイヤル Tel. 03-5777-8600

国宝 八部衆像 阿修羅立像 奈良・興福寺蔵
国宝 八部衆像 迦楼羅立像 奈良・興福寺蔵
興福寺の名宝が豪華に並んでいます。
上野の桜も満開に近づいています。