池田美樹, 池田美樹のLOVE♥ CITY WALK行列覚悟でGO!アウトレットモールはテーマパークだ。

(2008.05.13)

このゴールデンウイーク中、“渋滞”というテーマの報道でその名前を聞かない日がなかった「三井アウトレットパーク 入間」に行ってきた。
4月10日にオープンしたばかりの、最新の三井アウトレットパークがこの入間。181店のアウトレット店のうち、『ユナイテッド・バンブー』、『フランチェスコ・ビアジア』、『コントワー・デ・コトニエ』など日本初の出店が44店にも及び、その注目度を高めたことは記憶に新しい。

車での大渋滞を避けて、電車での移動を選んだ。池袋駅から西武池袋線で約30分のところにある武蔵藤沢駅で、無料シャトルバスに乗り込むための行列に並ぶ。この行列中、あちこちで聞かれたのがこんな会話。
「結局はB級品や季節外れの品ばかりを売ってるんでしょ?」
 こんな男性の問いかけに、
「違うよ! 今はそんなことないんだから」と防戦を張る女性。

そう、今はそんなことばかりではないんです。
確かに「アウトレット」とは、ブランドの訳あり商品を効率的に売りさばくために生まれた手法。’80年代初めにアメリカで誕生し、’90年代半ばに日本にそのスタイルが上陸した。
昨シーズン以前の商品である“キャリー品”、生産が終了した“廃番品”、多少難のある“B級品”などを正規価格より安く買えるとあって人気を集めたが、最近、特に注目されているのが“今期物”。シーズン商品が、正規店での店頭展開を終えてアウトレット店にやってくるケースだ。

次々に流行が移り変わり、売り場の見せ方やイメージも変えていかなくてはならないアパレル、物販ブランド。この“今期品”がアウトレット店に並ぶまでのサイクルが早まる傾向にあるというのだ。

つまり、今の流行の品をリーズナブルにその季節に手に入れることができるというわけ。アウトレット店は、「安いB級品」を売る店から「お得で賢い買い物ができる店」へとイメージを大きく変化させてきたといえる。

ちなみに、首都圏から行けるアウトレットモールとして最も知名度の高い「御殿場プレミアム・アウトレット」は、既存の『グッチ』『ボッテガ・ヴェネタ』などに加え、『マルニ』、アウトレット日本初出店である『ジル・サンダー』などの海外ハイブランドを含む30店以上をこの春にオープンさせ、名実ともに国内最大級を維持している。
広大な土地に200店舗以上が並ぶ様は、まるでアメリカ郊外を思わせて、まる1日かけてゆっくりショッピングを楽しむリゾートに来たかのような気分にさせる。

物の値段がじりじりと上がり続ける時代にあって、再び注目されつつあるアウトレットモール。行ってみると、気がつくことがある。
それは、「何かほしい物があったから」ここに買いに来たんじゃないのだということ。私達は「ほしい物を探すため」にそこに行くのだ。そして、家を出るときには頭の片隅にも浮かんでいなかった品を買い求めている。

ついつい無駄な物を買ってしまったと後悔するだろうか? お得な買い物ができたと喜ぶだろうか? 答えは簡単。テーマパークに行ったと思えばいいのだ。
1日かけて、おしゃれな品物探しというアトラクションに参加し、見事、品物も手元に残った。そう考えれば、支払った対価も、入店するために行列したこともいい思い出になろうというもの。

ちなみに私は今回の戦利品はゼロ、残ったものはハイヒールで歩き回ったためにできたまめだけだった。後悔も歓喜もないなんて、アウトレットモールに行ったとは決して言えない、お粗末な結果だ。
無駄な買い物はやめておこう、などどこざかしいことを思わず、やはりあそこであれを、そしてあそこであれを買って、悔いか喜びを感じてみるべきだったと、深く反省している。

全国に現在アウトレットモールは約30か所。情報は「アウトレットモール図鑑」で。

シャトルバスを降りると、この2階通路を通ってモールの中へ
シャトルバスを降りると、この2階通路を通ってモールの中へ
2階建てという作りが画期的だった『三井アウトレットパーク 入間』。友人いわく「ハワイのアラモアナ・ショッピングセンターみたい!」