リブロ・トリニティ – 2 - 『書きこみ式「いいこと日記」2009年版』、『「なりたい自分」になれる 中山式「いいこと日記」をつけよう! 』

(2008.10.29)
〜著者と編集者、書店スタッフの3人が一体となり、力を合わせて完成した本を紹介するコーナーが「リブロ・トリニティ」です〜

中山庸子著

『書きこみ式「いいこと日記」2009年版』1,260円(税込)と
『「なりたい自分」になれる 中山式「いいこと日記」をつけよう! 』630円(税込/文庫)

(いずれもマガジンハウス刊)


ホームページ『中山庸子の本屋さん』のメンバー。左から中山店長、松本大家、スタッフHINA。Ⓒ松本孝志

■著者より

中山庸子(なかやま・ようこ)

1953年、群馬県生まれ。女子美術大学、セツ・モードセミナー卒。県立女子高校の美術教師を経て、エッセイスト&イラストレーターとなる。著書多数。代表作に『「夢ノート」のつくりかた』(大和出版)、『こころの霧の晴れる言葉』(マガジンハウス)。
ホームぺージ「中山庸子の本屋さん」

 

「いいこと日記」をつけ始めて25年、
たくさんの出会いをもたらしてくれました。

小さい頃から本が好きでした。小学校の頃は図書カードにスタンプを押すのが楽しくて、中学では委員の特権で新刊図書をいち早く読めるのが嬉しくて図書委員になりました。高校の教員時代も司書室に入り浸っては、本の分類やシール貼りを手伝ったり、本気で司書の資格を取りたいと思ったり。本を読むだけでなく、本の形や手触り重みなどに親しみを感じていたわけです。

ようやく図書委員会の顧問になって、委員の生徒たちと書店に本を買いに行くツアーに出かけたのですが、そこで今度は本屋さんの仕事に魅了されました。いつか小さくてもいいから本屋さんをやってみたいと思いました。
今、自分のホームページを「中山庸子の本屋さん」としているのは、その頃からの夢をかなえ、架空の店でもオープンさせたかったから。ちなみに、この店は大家の松本さんから古家を借りて営業しているのですが、店長中山はあまり仕事をしないのでアルバイト店員のHINAちゃんが「なにしとんねん」とツッコムことになっています。

HINAは、「日記が続かない女」だった編集者マナさんと大家さんと皆で生み出したキャラですが、HINAのビジュアルは娘ショウコの幼児期に、ツッコミ的性格は今のショウコにそっくりだともっぱらの評判です。

ちなみに、マナさんは今では私以上に『書きこみ式「いいこと日記」』を上手に使いこなしており、こちらが「ちゃんとつけてる?」と煽られている始末。いやはや、こんなに長く「いいこと日記」で一緒にお仕事できるとは、店長中山感激であります。『中山式「いいこと日記」をつけよう!』がマガハ文庫のデビューラインナップに決まったときも、大きな字でその日の「いいこと」として記したのは言うまでもありません。

『いいこと日記』をつけ始めたのは、HINA似の娘ショウコが生まれた年からなので、ちょうど25年目ということになります。『いいこと日記』は、私が続けている習慣の中で、もっとも有意義で自分の支えにもなり、またたくさんの出会いをもたらしてくれるものとなりました。

ピヨという「HINA友キャラ」の素である高垣さんとの出会いも、まさにそんな「いいこと」の代表格。私の憧れの仕事、本物の本屋さんをバリバリ動かしている、かわいい実力者です。

敏腕編集者マナさんも、本物書店主任高垣さんも、うそっこ店長中山もみーんな本が大好きで、『いいこと日記』が大好きな素敵な仲間です。勿論、看板娘HINAちゃんも……入れておかないと、また「店長、肝心なメンバーを忘れてやしない」とツッコマレソウ。

 ピヨさま  おいしいケーキ、待っててくださいね♪

HINA&中山より

■書店員より

啓文社 岡山本店 高垣 亜矢(たかがき・あや)

尾道生まれ。上京し進学・就職。その後尾道に戻り、地元老舗書店啓文社に入社し、現在は岡山本店に勤務。「創ること」「伝えること」が大好きで、書店もそのひとつと考える。お客様やスタッフとの会話も楽しみ。いろんな情報交換ができるから。「いいこと日記」との出会いで、おすすめの本が売れたり、お気に入りの作家の新作が入荷したり、書店の仕事のいろんなことが“いいこと”に思えるように(たとえ上司やお客様からお叱りを受けても☆)。
 好きな作家は向田邦子。猫好きなところや謎めく恋も含めライフスタイルにも憧れる。『向田邦子への旅』(マガジンハウス)は読みこみすぎてぼろぼろ。
 古きよきものから新しいものまで興味津々。寺社に行ってひとり静かに心を落ち着けたい、と言った舌も乾かぬうちに、「福山(雅治)さんの映画、最低3回は見ないと!」と宣言してクルクル目を動かす。これは双子座の宿命か?

 

「いいこと」は普段からたくさんあるのです! あることに気がついて。

 日記と言えば“反省”がつきもの、と思っていた後ろ向きな私。そのうえヘンなところで、完璧主義なA型気質がジャマをして、日記は継続しなければならないもの、と堅くとらえる始末。そんななかで、『いいこと日記』に出会い、もう世界は一変した、と言っても大げさではないでしょう。
 だって、たった1行でもいいから「いいこと」を書けばいいなんて。
 “つけ忘れてもいいですよ”だなんて。

 もっと早く出会えていれば、違う人生があったのかなと思うけれど、それまでのことがあったからこそ今があり、悩む自分がいたからこそ、『いいこと日記』の持つ魅力に吸い寄せられたのだろうと思います。
 『いいこと日記』を通じて、編集の桂さんにお会いでき、さらになんと作者の中山庸子さん、松本孝志さん、HINAちゃんにお会いできるという、「スペシャルいいこと」が起こりました。みなさんやわらかくてなんともいえない素敵な空気をまとい、とびきりの笑顔が印象的。これが「いいことパワー」なのかしら? と思わずにはいられませんでした。

 地方の書店を大事に想ってくださる“いいこと日記ファミリー☆”のみなさんに、どれだけ勇気づけられたことでしょう。
 昨秋には、ご多忙の中、中山さんはコア福山西店にてサイン会を行なって下さいました。列をなすお客様の中には、遠方での法事の帰り、クルマを飛ばして駆けつけてくださった方がいらっしゃり、改めて中山さんが読者に愛されている作家さんなんだと実感しました。

 サイン会の帰り、中山さん、桂さんとご一緒に尾道の千光寺へ。夕暮れ時のやさしいオレンジの光に染まった尾道の景色(文豪・志賀直哉、林芙美子らが見たであろう)を3人で眺めたことは、一生忘れることはできません。とても一行ではおさまらないスペシャルいいことDAY☆でした。
 そんな“スペシャルいいこと”は別格として、「いいこと」は普段そんなにあるものなの? と思う人がいると思います。私も実際にそう思っていました。
 それが、あるのですね。
 要は、“ある”のに、気がつかなかっただけ。あるいは、それを「いいこと」に転換できなかっただけ。

 自分でその転換がうまくできなくても、『いいこと日記』には、中山さんの励ましの言葉や、HINAちゃんの名言・暮らしのアドバイスがあり、読むとふっと肩の力がとれて、導かれるように「いいこと」を書けるので安心です。
 今年も新しい『いいこと日記』がお店にやってきました。来年はどんな「いいこと」が書けるかなと楽しみです。また、今年は『中山式「いいこと日記」をつけよう!』が文庫化! 棚に並べると、あら不思議、HINAちゃんに見えてきた! 「日記のつけ方の案内はHINAにまかせて!」という頼もしい声が聞こえてきました。中山さんと松本さんご夫婦の合作パネルも頂き、超強力応援団を得てフェアを展開できる幸せ。これぞスペシャルいいこと! ひとりでも多くの方に「いいこと」に出会っていただけますように。
 そんなことを思いながら、今年も『いいこと日記』フェア開催開始です!

 追伸。HINAさま。
     ケーキ楽しみにしております。 ピヨより。

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■編集者より

編集者プロフィール

桂 真菜(かつら・まな)

雑誌編集者をへて、書籍編集者に。2008年に手がけた本は、『赤毛のアン』の翻訳者の評伝を孫の村岡恵理さんが綴った『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』、玖保キリコさんの爆笑漫画第2巻『ヒメママ②』など。「ヒメママ」とは―左の王冠つけた肖像からも伝わるように、贅沢好きでお姫様みたいにわがままなお義母さん。つまり、編集担当の桂とは真逆のキャラ。

 

中山パワーの源『いいこと日記』、高垣さんの情熱で新しいキャラ誕生!?

1年に10冊以上の本を出し「月刊中山」と称される中山庸子さんの作品は、多くの読者を励まします。2002年にマガジンハウスでの出版を依頼したのは、中山パワーの源を伝える本を創りたかったから。そして、松本孝志さんの素敵な絵のかかる青山の事務所でお話するうちに気づいたのです、「日記」こそ原動力だと。

翌春、日記の効果を自身の歩みに重ねたエッセイ、『「なりたい自分」になれる 中山式「いいこと日記」をつけよう!』刊行。この本を創る過程で『いいこと日記』を広めたい気持ちが高まりました。三日坊主にならない工夫を考えた結果、2003年秋にデビューした『書きこみ式「いいこと日記」』は、中山さんのエッセイと読者の日記が合体する様式に。オリジナルシールを加えたり、年ごとに改良を重ねています。私自身つけはじめてから多くの「いいこと」に恵まれ、時間の大切さを意識して暮らせるようになりました。
1日たった5分「いいこと」を書くだけで「いいこと」がどんどん増える『いいこと日記』。幸せになれる魔法のダイアリーは、愛用者の皆様に助けられ2009年版で6冊目。尾道に本社を構え16の書店を展開する、啓文社の皆様の応援にも感謝いっぱいです。

私が迷える新米書籍編集者だった2004年、販売部の宮下明久に渡された啓文社の店頭写真に勇気づけられました。『書きこみ式「いいこと日記」』を愉快な手書きPOPとともに、ダイナミックに飾りつけた写真! その写真をきっかけに、高垣さんとの交流が始まりました。私も尾道を訪れ1啓文社の書店を巡りましたが、1店ごとにスタッフの個性が光っているのに驚きました。本を愛するスタッフの心意気が、楽しいスペースに結晶。どの店内も変化に富む構成で、「書店の魅力は不滅!」と信じさせてくれるエネルギーに満ちています。

お客さんに聞かれたことは必ずメモをとって、細やかに対応する高垣さん。今は岡山市に2008年春に出店した700坪ワンフロアーの巨大な啓文社岡山本店で活躍。店内は家族連れが多く、子供たちも目を輝かせて本を選んでいます。忙しい中、高垣さんは上京しては書店をまわり、研究に余念がありません。情熱的な高垣さんに会った中山さんの心に閃いたのは、『いいこと日記』案内役HINAの友だち、「ピヨというキャラ」。いずれ、絵姿になって日記に登場するかもしれません。

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