アートニュース Fromミュージアムカフェ – 26 - 森美術館で開催中『アイ・ウェイウェイ展-何に因って?』はユニークかつ画期的な展覧会。

(2009.08.27)

アイ・ウェイウェイ[艾未未]は、現代中国を代表する現代美術家。その表現方法は多岐にわたり、出版や展覧会企画といった分野でも活躍しています。記憶に新しいのは2008年の北京オリンピックスタジアム設計に際するヘルツォーク&ド・ムーロンとのコラボレーション。あの「鳥の巣」スタジアムです。

今回の展覧会はこのための新作6点を含め、1990年代以降の主要作品26点が並ぶ過去最大級の個展となります。「基礎的な形体とボリューム」、「構造とクラフトマンシップ」、「伝統の革新と継承」という観点から立体、写真、出版、映像などの作品が一堂に介します。

『フォーエバー自転車』 2003年 自転車42台 高さ275cm、直径450cm
ⒸFAKE Studio

作品からは文化的、歴史的、社会的な因果関係、「何が何に因って在るのか」、そして「自分はどこから来て、どこへ行くのか」というメッセージ、問いかけが強く伝わってきます。

会場に入ると、なんだかとてもいい香りがするのもポイント。前半に展示してある大きな大きな茶色の物体……タイトルを見ればわかるのですが、なんとお茶でできているんです。『1トンのお茶』というタイトルの通り、1トン分のお茶を固めた立体作品。このお茶シリーズは他にも展示があります。

今展は、画期的な試みでも話題になっています。作家、開催館が定めた規約を守れば、会場での撮影がOKなんです! 営利目的での使用はもちろん禁止ですが、せっかくの楽しい展覧会、思い出を写真に残すことができるなんて嬉しいですよね。ぜひ足を運んで、記念となる時間を過ごしてください。

『1トンのお茶』2006年
圧縮した茶1トン 100x100x100cm
ⒸFAKE Studio
『1メートル立方のテーブル』 2006年
花梨 100x100x100cmのテーブル13台
ⒸFAKE Studio
『コカ・コーラの壺』 1997年
唐時代の壺 (206BC-24AD)、塗料24cm, o18cm
ⒸFAKE Studio

 

『アイ・ウェイウェイ展-何に因って?』

期日:2009年7月25日(土)~11月8日(日)
会場:東京・森美術館
料金:1500円(一般)ほか
問い合わせ:ハローダイヤル Tel.03-5777-8600
http://www.mori.art.museum/