リブロ・トリニティ – 4 - 『ワイン完全ガイド』君嶋哲至 著

(2009.02.20)
~著者+編集者+書店スタッフ、著者+書店販売員+読者……3人が一体となり、力を合わせて完成した本を紹介するコーナーが「リブロ・トリニティ」です~

君嶋哲至(監修)

『ワイン完全ガイド』

『ワイン完全ガイド』
1,575円(税込) 池田書店


■ 著者より

君嶋哲至(きみじま・さとし)

1960年横浜生まれ。創業明治25年の酒販店「横浜君嶋屋」の4代目代表。直輸入ワイン、日本酒、焼酎を扱う。良酒を求めて、国内はもとより世界各国につねに足を運ぶ。直輸入ワインは必ず造り手、ブドウ畑を訪れ、確信を持ったもののみを取り扱う。「いいワインは造り手の顔を見ればわかる」が持論。イタリアンレストラン2軒、ワインバー1軒も営み、目指すは「酒と食による世界平和」。感性豊かなテイスティング表現と料理とマリアージュの提案にも定評がある。1998年、取り扱いワインでベスト・バーガンディ賞受賞。2003年エシャンソン・デュ・ロワ・レン(プロヴァンス・ワイン騎士団より)、2004年シュバリエ・デュ・タストヴァン(ブルゴーニュ・ワイン騎士団より)、2008年シュバリエ・ド・シャンパーニュ(シャンパーニュ騎士団より)の称号を与えられる。日本酒、シャンパーニュのスクール講師も務めている。

横浜君嶋屋サイト

ワインの世界には終わりがありません。

ワインを巡ってブドウ畑や造り手のところへ足を運ぶと、いいワインの後ろには必ず素晴しい畑や造り手の顔があります。まさしくワインは自然や人の手による素敵な贈り物にほかなりません。そんなワインが1本テーブルにあれば、話も弾み、もちろん食事とのマリアージュの楽しみも尽きません。この上ない時間とともに、人と人とをつないで、世界中の人と友達にもなれます。ワインにはそんな魅力がいっぱい詰まっています。

そうしたワインの魅力の一端をお伝えして、ワインとの距離をもっともっと近くしていただければ、というのがこの本の願いです。そのために、知っておきたい基本知識をなるべく整理してわかりやすく、また産地やブドウの写真、地図を交えてお伝えするように心がけました。多種多彩なワインの個性を知り、楽しんでいただきたいという願いから、カテゴリーを分けておすすめのワインも紹介しました。まずは気になったところから、どこからでも楽しんでいただけば幸いです。

ワインは世界中にあって、出会いには限りがないし、知れば知るほど深さが見えてきます。1本のワインも時間をかけて付き合うとまた違った表情が見えてきます。つまるところワインの世界には終わりがありません。もちろん、ここに紹介したものもその一端に過ぎませんが、それもまたワインの大きな魅力です。この本をきっかけに、そんな終わりのない素敵な旅に、ともに出かけることができればこの上ない歓びです。

■書店スタッフより

ケイ・コーポレーション(TSUTAYA FC)営業部 商品課黄木宣夫(おうき・のぶお)

群馬県、桐生市出身。書店人として25年超のキャリア。前橋の老舗書店を経て現職。
良書を求めて日夜研鑽中(ほんとうか?)酒の肴は、楽しい会話につきますね。

ワインの本、おすすめに値するものとは?

書店員にとって、大事な仕事とは何でしょう?
売れる本を揃える、これは至極当たり前なようですが、売れる本程、品切れを防ぐのは難しいという現実があります。品切れをさせない、大事な仕事です。

売りたい本を並べる、そもそも売りたい本とは何だという話になりますが、好きな本は人に薦めたくなる、という感覚が書店員にとってはとても大事で、自分がお薦めしたい本を並べ、それを手にとってもらう、そして買っていただく、その流れが間断なく続く、理想の仕事といえるでしょう。

そしてもうひとつ大事な仕事は、お客様から、何かについての解説書を訊ねられた時に、自身をもって薦められるベスト商品を知っていることです。

ところがこれがなかなか難しい。商品知識といっては簡単ですが、お客様を裏切らないように商品をよく知り、すべてのジャンルでのベスト商品を把握しておくことはなかなか出来ない。商品が多種多岐に亘れば尚更のことです。

そこで朗報です。

今、ワインの入門書について訊ねられれば、躊躇なくこの本を薦めて間違いはありません。

見易く分り易い編集により、これからワインについて知ろうという方が、過不足なく知識を得ることができるでしょう。私など葡萄の写真を見ているだけで楽しくなります。

ワインというと、蘊蓄ばかりが先行するところがありますが、まずはこの本を読んで、基本を押さえてからですね。

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■編集者より

(株)池田書店 田口勝章(たぐち・かつあき)

1965年東京生まれ。日大芸術学部卒。(株)池田書店入社以来、食、語学、芸術など200点以上の実用書を手がける。近書『おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185』は50万部を突破するベストセラーとなる。酒とおいしいものと楽しい語らいをこよなく愛する。妻、長男、二男の4人家族。

世界のワインを13のカテゴリーに分けて解説。

複雑そうに見えるワインの世界をできるだけシンプルに、すっきりと、わかりやすくお伝えできるよう構成しました。そのなかでも本書の特徴は、フランスワインを中心に世界のワインを13カテゴリーにわけ、その味わいや魅力を簡潔なキーワードを中心にして解説した第1章にあります。たとえば《アルザス》であれば「生き生きした酸味」、《ボルドー・赤》であれば「シャトー/ブレンド」……といった具合です。またそのカテゴリーの特徴が実感できるおいしいワインを紹介。読者がそのワインを飲みながらその特徴を体感できるように構成しました。

制作当初ワイン初心者であった編集担当である私の酒ライフも、今では完全にワイン中心。無数に広がるワインの個性を味わう楽しさと料理とあわせる楽しさがプラスされ、その喜びはもう未知数。日本人にとってお酒は「酔うもの」から「楽しむもの」へと確実に変わる、これがワインの魅力。そしてその楽しさを本書を通じて多くの皆様に知ってほしい、これが私の願いです。

これで確実に人生が楽しくなります。そして「あー人生一回じゃ足りないかも!」とも思うかもしれません。そんなワインの素晴らしさを体感する旅にでかけましょう。

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