池田美樹, 池田美樹のLOVE♥ CITY WALK撮影時の朝食は、シティホテルでルームサービス。

(2008.09.23)
 パリへロンドンへニューヨークへと軽やかに海外に出かける現代OLにとって、こぎれいなシティホテルというのは既に行き慣れた場所かもしれない。でも、案外、身近な街のホテル、それも客室に行く機会はあまりないのではないだろうか?       

 私達は、ホテルの部屋で誌面の「撮影」をすることがある。タレントのインタビュー、ファッション撮影、ファッション小物の撮影など。生活感がなく、スタイリッシュなインテリアで整えられたホテルの部屋は、時には専門のスタジオよりも効果的な写真が撮れる場所だ。

 先週、「フォーシーズンズホテル丸の内」で、撮影をしてきた。今回のテーマは「大人なファッション小物」。どんな内容かはまだ詳しく言えないので、10/22発売の誌面を見ていただくとして……。

 撮影は朝の7時にスタート。12時のチェックアウトタイムまでに終えなければならない。小物の撮影なので、タレントやモデルがいない分、スタッフは5名とこぢんまりしている。
 ペースがつかめてきたところで、「朝ご飯にしましょうか?」と提案。そう、ここはホテルなのだ。電話1本で素敵なルームサービスを頼むことができる。もちろんスタッフは大賛成。フレッシュなジュースとサンドウィッチ、コーヒーをオーダーする。

 ワゴンで運ばれてきた朝食に、スタッフは歓声。それはそうだ。ふだんの撮影の時の朝食は、編集者が準備したペットボトルの水かお茶に、コンビニで調達したお菓子とおにぎり。なかなかきちんとしたものを食べることはできない。
 撮影の連続でコンビニエンスな朝食に飽き飽きしている私。せっかくホテルにいるのだから、その日は奮発してみたかったのだ。

 普段、自分自身では宿泊しないような高額なスイートルームのリビングに、スタッフみんなで並んで朝食。思わずゆっくりと時間を過ごしてしまい、その後の撮影が急ぎ足になってしまったのは反省点。

 思えば海外でも、ルームサービスをオーダーすることはあまりない。ケチケチと、ホテルの外の店で安く買った水を冷蔵庫にしまっておいて飲んだりしている。
 先日読んだ、石田衣良氏の小説『逝年-call boy 2』に、セックスをした翌朝のホテルでのけだるいブランチが好きだ、という一節があった。舞台は東京のシティホテル。このうえなくぜいたくな遊びに思えた。

 以前、ちょっと思い立ったらすぐにシティホテルに泊まりに行き、清潔でぜいたくな空間に身を浸し、好きなように時間を過ごすことが最大の息抜きだ、と話していた女性もいた。納得である。

 東京に泊まるくらいなら海外に……などと思わず、身近なリフレッシュ法として、シティホテルに宿泊、ルームサービスを頼んで、気ままに時間を過ごす、というのもありかもしれない。ふだん、自分が歩いている街を、高層ホテルの部屋の中から人ごとのように眺める。素晴らしい気分転換になるに違いない。

 ちなみに、撮影時の朝食、あまりにも盛大に頼んでしまったため予算をオーバーしてしまったのだけど、編集長は許してくれるかどうか……ちょっと心配だ。

撮影に使ったスイートのベッドルーム。
 撮影に使ったスイートのベッドルーム。気持ちのいいシーツにくるまれて寝転がってみたかった。   


当日頼んだ朝食の一部。カトラリーがきちんとクロスに包まれていたり、ホテルならではのホスピタリティが気持ちいい。