女性のための、元気になれる俳句82 選・如月美樹 海棠やおられて来てもまださめず 蓼太

(2010.04.13)
 

落花に目を奪われているうちに、ほかの花も競うように咲き始めた。海棠の、垂れ下がる薄紅の花が美しい。なんとなく桜に似ているな、と思い調べてみたら、同じバラ科だということがわかった。「眠れる花」の別名は、玄宗皇帝が楊貴妃にまだ酔っているのかと尋ねたとき、彼女が「海棠の睡りいまだ覚めず」と答えたという故事からの命名。玄宗皇帝が、眠っている楊貴妃を見てこういったという説もある。掲句は、その故事をふまえたもの。
海棠は擬人化された花として最も古く、最も有名な花ではないだろうか。 中国では、牡丹とともに最も愛される花なのだそう。作者の蓼太は江戸中期の俳人。