『MOTHER2』のどせいさんがぬいぐるみに!「ぽえーん」と「ぷー」が口癖。謎の「どせいさん」

(2009.02.23)
『MOTHER2』のゲーム画面。どせいさんのせりふのフォントに注目!
「ぽえーん」だの「ぷー」だのが口癖。唐突に「ぐんまけん!」と叫ぶものもいる、そんな謎の生物たち。

さっきセーブしたばかりなのに、もう一回。
ああ、どうしてこうもゲームには中毒性があるのだろう。

試験前に身を滅ぼすものの代名詞といったら掃除。だが、多くのゲーマーたちにとって、やりかけのゲームほど恐ろしいものはない。ゲームは進むが、仕事は進まず、朝のさえずりを聞いて青ざめる。

その理由のひとつとして、RPGは時間を置けば置くほど先に進めるのが億劫になってくるというものがある。

仮に「ゲーム進めたいテンション」(ゲーム(G)進めたい(S)テンション(T)、以下GST)というパラメーターがあるとしよう。

このGSTはゲーム開始序盤は低い状態が続く。ゲームの主人公はまだ弱い上、解決すべき問題も少ない。(王道RPGでは、「○○(主人公の名前)、今日はあなたが旅に出る日よ。王様に挨拶していきなさい。」などと母から言われ、王様に会いに城へ行くのが始まりのパターンである。主人公は多くの場合、出生に何らかの秘密があり、魔王討伐の旅に出るのだ。)また、まだそのゲームの世界観に浸りきれず、人見知りならぬゲーム見知り状態。ゲームを進めるのに精神力を要するため、GSTは依然低いままである。これがある程度進んで中盤に差し掛かったあたりからGSTはぐっと上昇する。

解決すべき謎が増えていき、その緊急度も高くなる。モンスターを倒しに行かなければ村が滅びるのだ。完全に世界平和の使命を負った気分でいる私に、そう簡単にゲームを中断してセーブすることができるだろうか、いや、ない。しかし、人間というのは忘れる生き物。ここで無理矢理ゲームを中断し、そのまましばらく進めないでいると、何をするべきだったのか、どのモンスターを倒すべきだったのか、記憶は薄れていく。そしてGSTはどんどん低下するのである。

GSTの赴くままにゲームを進め、その面白さに8回も最初から最後までプレイしてしまったゲームに『MOTHER2』がある。15年ほど前、キムタクと幼稚園児が「まーざーつー、まーざつー」と歌っていたCMを覚えている人もいるかもしれない。コピーライターでほぼ日刊イトイ新聞を主宰する糸井重里さんがプロデュースした、スーパーファミコン用のソフトである。2003年にはゲームボーイアドバンス用に移植されたソフト(公式サイト)も発売した。愛嬌のあるキャラクターと細部にまでこだわったテキストが魅力で、その世界観が好きな人にはたまらなくヒットするのだ。
『MOTHER2』のマスコットともいうべきキャラクターが「どせいさん」である。

                   
特徴的で味のあるフォントは、当時幼かった糸井重里さんの娘の字から作られたものだとか。「どせい」とは言っても土星人というわけではない。『MOTHER2』内のとある谷に多く住みつき、「ぽえーん」だの「ぷー」だのが口癖。唐突に「ぐんまけん!」と叫ぶものもいる、そんな謎の生物たちだ。

この「どせいさん」のひざたけぬいぐるみがネットで販売されるという。ほぼ日刊イトイ新聞によると、2006年にUFOキャッチャーの景品として出た際に好評を博し、中には広島からわざわざ千葉県まで探しに来るファンもいたとのこと。

その大きさ45cm! お値段は1万2,000円。決して安くない…。
1万2,000円あれば大好きなウニ丼が3杯、パック入り苺なら24パック、うまい棒なら1,200本。

しばらく画面の前で苦悩したのち、ポチッ。限定500体の文字にしてやられる。予約注文した中から500人が抽選で選ばれるため、当たるかどうかはわからない。
『MOTHER2』に再び浸りながら抽選結果を待つとしよう。こうして、ゲームは進むが原稿は進まない日は続く。

「どせいさんひざたけぬいぐるみ」は熱中ネットから予約可能です。