深瀬鋭一郎のあーとdeロハス 日本ベビーは、BABY METALやLADYBABYだけじゃないよ『市原ぞうの国』にてアジア象の 「ゆめ花画伯」が大活躍です!

(2016.08.08)
ゆめ花はダンスも上手。YUIーMETAL、MOAーMETALと一緒に踊ってほしい!
ゆめ花はダンスも上手。YUIーMETAL、MOAーMETALと一緒に踊ってほしい!
かわいいベビー
「ゆめ花」ちゃん。

家内が切迫早産から帝王切開になり、筆者こと、家内や生れた三女、他の子供達の世話にかかりきりで、コラム『あーとdeロハス』執筆の間隔が空いてしまいましたが、お陰様で、家内、新生児とも健康になりました。今回は、この新生児からのBABYつながりで、象のBABYのアート活動について書きましょう。『BABY METAL』や『LADYBABY』(最近、メンバーチェンジにともないThe Idol Formerly Known As LADYBABYになったそうです)など、人間の芸能系BABYの活躍も目覚ましいですが、日本初の自然保育(母ゾウによる子育て)BABYである『市原ぞうの国』のアジアゾウ「ゆめ花」(2007年5月3日生まれ、9才)ちゃんも、大活躍中です!

ゆめ花ちゃんは、国内最多数の象や様々な動物が暮らす「市原ぞうの国」の看板スターです。とても多芸な象ですが、中でも象さん画家/ライブ・ペインターとしての活動が良く知られています。「ぞうさん ぞうさん おはながながいのね」(童謡『ぞうさん」作詞:まどみちお、作曲:團伊玖磨)のながーい鼻で描くのです。最近では、同じく『市原ぞうの国』で誕生した2頭目のりり香(2013年9月3日生まれ)ちゃん、3頭目の結希(ユウキ、2014年6月12日生まれ)くんも看板スターとして活動しています。

結希、ゆめ花、りり香とも、椅子に上手にお座??
結希、ゆめ花、りり香とも、椅子に上手にお座り。
 
画伯な象さんの「エレファント・アート」
その由来。

もっとも、こうした象さんのお絵かき「エレファント・アート」の由来は、あまり知られていないかもしれません。「エレファント・アート」とは、1990年にタイ政府が発令した森林伐採禁止令のため、それまで伐採に従事しており職を失った象と、象使いを救済・保護する目的で開始されたプロジェクトです。アーティスト・グループ『コマール&メラミッド』が、『アジア象芸術&保護プロジェクト(AEACP)』というNPOを1997年に立ち上げ、翌年タイに渡って各地の象キャンプを訪ね歩き、ランパーンのキャンプを選定して象たちに絵を描くことを教えました。すると、象は象使いとコミュニケーションを交わしながら絵筆を鼻で器用に操り、抽象絵画を生み出していきました。

(注)1972年、旧ソ連のアーティスト、ヴィターリ・コマールとアレックス・メラミッドによってはじめられた。両名のほか、エリック・ブラトフ、イリヤ・カバコフ、エドゥアルド・ガラホフスキー、イワン・チュイコフなどがメンバー。

ゆめ花にしてはベーシックな、ぞうさんお約束の、鼻でフラフープを回す曲芸ですね。
ゆめ花にしてはベーシックな、ぞうさんお約束の、鼻でフラフープを回す曲芸ですね。

2000年には象の絵画25点が、クリスティーズ・ニューヨークのオークションで競売にかけられ、全て落札(最高値は2200ドル)という成功を収めました。チェンマイ県のメーサ・エレファント・キャンプでは、水墨画家のチョワリット氏が子象たちに具象絵画を教えて、2003年までに3頭の象たちが「枝に花をつけた木」を描くことができるようになりました。プーケット島、アユタヤ県でも絵を描く象が現れました。絵を描くことで自活の道を歩き始めた象たちを支援するため、ヤフー・オークションでは彼らの描いた絵を販売するチャリティーオークションも開催され、販売利益の一部はAEACPの活動に当てられました。

「エレファント・アート」プロジェクトは、その後、インド、インドネシア、カンボジアにも進出、東南アジア各地でも展開されており、日本でも、川村記念美術館で開催された「コマール&メラミッドの傑作を探して」展(2003年10月4日〜
12月14日)では、このプロジェクトを紹介し、人気画家となった象たちの最新作を展示したほか、インド生れのアジア象テリー(1992年生)による「象の絵画教室」を美術館の敷地内で実施したとのことです。テリーは、2001年に市原ぞうの
国に来園した、日本初の絵描き象で、ゆめ花ちゃんとりり香ちゃんの父でもあります。

ゆめ花にお金を渡して、ぬいぐるみセットを購入しました!
ゆめ花にお金を渡して、ぬいぐるみセットを購入しました!
いよいよ、ゆめ花画伯(左側)とりり香(右側)によるライブ・ペインティング開始です!
いよいよ、ゆめ花画伯(左側)とりり香(右側)によるライブ・ペインティング開始です!
まず背景の青い空、続いて桜の枝を描いていきます。
まず背景の青い空、続いて桜の枝を描いていきます。
続いて枝の上から桜の花を描いていきます。
続いて枝の上から桜の花を描いていきます。
桜の花をいっぱい描いていきます。
桜の花をいっぱい??????
桜が描けたら、次に菜の花で覆われた山を描きます。
桜が描けたら、次に菜の花で覆われた山を描きます。
山が描けたら、緑の草原と菜の花畑を、下の方に描いてフィニッシュです!
山が描けたら、緑の草原と菜の花畑を、下の方に描いてフィニッシュです!
完成作品のお披露目です!左側がゆめ花、右側がりり香の作品。
完成作品のお披露目です!左側がゆめ花、右側がりり香の作品。
ゆめ花がこれまで描いた作品のギャラリーも併設されています。
ゆめ花がこれまで描いた作品のギャラリーも併設されています。
見事な筆さばき(鼻さばき?)
どんどん巧くなっていく。

さて筆者も、先日、家族と「市原ぞうの国」へ行き、ゆめ花ちゃん、りり香ちゃん、結希くんをはじめとする象たちによるパレードやダンス、ゆめ花ちゃんと結希くんによるライブ・ペインティングを観てきました。ゆめ花ちゃんは華がありますね。人間にあてはめると11~12歳(『BABY METAL』結成時のYUIーMETAL、MOA METALの年齢)になり、色艶綺麗になって、リボンが良く似合います。ショー終了後には、自らグッズ販売に立ち、ぬいぐるみ3体(ゆめ花・りり香・結希)セットを購入する観客には、自分の鼻で、お札を受け取り、透明袋入りのぬいぐるみ3体セットを渡してくれました。

ゆめ花さんは、絵画の筆さばき(鼻さばき?)がどんどん巧くなっていて、今回描いていた桜の絵は、昨年描いていた秋の木々の絵と並ぶ、これまで最高の出来でした。思わずその場で購入し、額装して寝室に飾ってしまいました。幼少時から毎日描き続けているだけのことはあり、迷いがなく予定調和も破綻もない、とても良い筆が入っています。正直なところ、美大の絵画科の学生の大部分より上手かもしれません。象の平均余命から考えると、あと50年くらい描き続けることでしょうから、そのうち表現の深度が増したり、現代美術的になったりして、凄い画伯になるかもしれませんね。

りり香ちゃんも、まだ描きはじめということもあって、発展途上ですが、今後が楽しみです!

りり香と結希に「またきてね!』と言われちゃいました。また来ますとも!
りり香と結希に「またきてね!』と言われちゃいました。また来ますとも!
『市原ぞうの国』