『ダメ男がグッチ社長になったわけ』  出版記念パーティのご報告。

(2010.03.01)

2010年2月25日(木)午後7時から、西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』にて、田中伸一さん著『ダメ男がグッチ社長になったわけ』の出版記念パーティが行なわれました。発起人は、田中さんと都立富士高の同期で、『書斎のゴルフ』(日本経済新聞出版社刊)を編集しているオフィス・ダイナマイトの本條強さんと弊社。

「お世話になった方たちへの感謝はもちろんのこと、せっかく色々な業界の人が集まるので、異業種交流会のようなパーティにしたい」という田中さんの要望どおり、ラグジュアリー・ブランド業界、百貨店業界、金融業界、慶応ビジネススクール関係者などから多士済々のお歴々が123名一堂に集まり、最後まで和気藹々のパーティとなりました。このパーティだけのためにわざわざフランスから駆けつけた方もいらっしゃいました。田中さんのお人柄がそうさせたのでしょう。 

パーティは、弊社の石崎孟代表取締役社長の開会の言葉で始まり、㈱伊勢丹の大西洋代表取締役社長執行役員、㈱ヨックモックの奥川大介取締役副社長、東銀リース㈱の木方元治常務取締役の祝辞、㈱マルイグループの若島隆常務取締役の乾杯の言葉があり、ついで祝宴となり、その後田中さんの謝辞、エルメスジャポンの有賀昌男代表取締役社長の中締めのお言葉をいただきました。

祝辞の中には、「アーリー・リタイアメントなんてまだ早い! 今度は、逼塞している日本のために働いてほしい!」「アマゾンのカスタマーレビューに書き込みます!」などのうれしいコメントもあり、いずれも満場の拍手と喝采を巻き起こしていました。
また、全日本医家管弦楽団の有志の方々の室内音楽が、パーティ会場の雰囲気をよりいっそう引き立ててくれました。
このパーティをひとつのきっかけにして、「現状の不遇に悩んでいるビジネスマンがいるとすれば、私の経験が少しは解決のヒントになるかもしれない」という前書きの言葉どおり、一人でも多くの人がこの本を手にとっていただければ幸甚の至りです。

 

『ダメ男がグッチ社長になったわけ』1,500円 (税込み)マガジンハウス刊

なぜ、一介の販売員がグッチの社長になれたのか?
なぜ、夢のアーリー・リタイアメントを実現できたのか?

貧乏をさせたくないばっかりに、父は「東大・大蔵省・政治家」コースを息子に夢見たが、当の本人は高校であっさり挫折。上智大学ではキャンパス生活を満喫しすぎたせいで、やっと入社した伊勢丹ではエリートコースとはかけ離れた食器売り場に配属させられる。しかし持ち前の負けん気と好奇心で販売士の資格を取り、販売の面白さを知る。
気が進まなかったが義父の薦めで経理に異動し、今度は数字と経理に興味を持つ。その時、生涯の上司と出会う。次に慶応ビジネススクールに行かされ、人生でいちばん勉強するはめになる。そこでは経営に目覚める。

復帰後、経営企画部に行き、バーニーズ・プロジェクトを任され、英語もできないのに資金調達のためにニューヨークに赴任。その時、アメリカのエグゼクティブのアーリー・リタイアメントの考え方に触発される。
ところが帰国後、社内人事騒動に巻き込まれ、子会社に出向させられる。しかしそこでも腐らずに結果を出していたところ、グッチからCFOとしてヘッドハンティングを受け、転職する。
その間、グッチはフランス企業に買収されたりしたが、ついにCEOに就任。人事制度、経理システムなど多くの業務改革を行い、大きな業績を上げた。

しかし、アーリー・リタイアメントの夢は捨てがたく、晴れて退職し、現在は毎日楽しい人生を送っている。
この本は一介のサラリーマンがグッチの社長になり、アーリー・リタイアメントを実現できたのかという迫真のドキュメンタリーであり、働くとは何か、経営とは何か、人生とは何か、という普遍的な問いに答えるひとつの回答本である。

レポータープロフィール

村尾雅彦(むらお・まさひこ)

マガジンハウス書籍出版局局長兼第一書籍部編集長兼第二書籍部編集長